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東京大学2012年度理系第六問、行列と関数の問題の解説
そしたら、鼻くそほじり終わったら解説はじめますね。


東京大学2012年度理系第6問の解説

[問題]
toudai2012ri61.jpg

2×2行列P=(p q r s)に対して
Tr=(P)=p+s
と定める。

a,b,cはa≧b>0,0≦c≦1を満たす実数とする。行列A,B,C,Dを次で定める

A=(a 0 0 b),B=(b 0 0 a),C=(a^c 0 0 b^c),D=(b^(1-c) 0 0 a^(1-c))

また実数xに対し,U(x)=(cos -sinx sinx cosx)とする。

このとき以下の問に答えよ。

(1)各実数tに対して,xの関数
f(x)=Tr((U(t)AU(-t)-B)U(x)(1 0 0 -1)U(-x))
の最大値m(t)を求めよ。
(ただし,最大値をとるxを求める必要はない)

(2)すべての実数tに対し
2Tr((U(t)CU(-t)D)≧Tr(U(t)AU(-t)+B)-m(t))
が成り立つことを示せ。


(行列(a b c d)は
a b
c d
をあらわしてる)

[解答と解説]
(1)
さあて計算するか。

ややこしい計算で処理能力を求めてるんや東大や。

toudai2012ri62.jpg

Tr((U(t)AU(-t)-B)U(x)(1 0 0 -1)U(-x))
=Tr(((cost -sint sint cost)(a 0 0 b)(cost sint -sint cost)-(b 0 0 a))×(cosx -sinx sinx cosx)(1 0 0 -1)(cosx sinx -sinx cosx))





ってやってると


toudai2012ri63.jpg

強制ブランコの刑みたいなことになります。


処理能力って言うてもそういうことを言うてるんじゃないねんな。


と言うことで、どんな感じでやればいいのかと言うと一つの方法としては

toudai2012ri64.jpg

U(x)(□ 0 0 △)U(-x)の形が多いやろ。

この塊のパターンに注目するねん。

例えば

U(t)AU(-t)=(acost^2+bsint^2 (a-b)sintcost (a-b)sintcost asint^2+bcost^2)

って計算したら、

U(x)(1 0 0 -1)U(-x)はさっきの計算において

tをx
aを1
bを-1

したらええわけやから

U(x)(1 0 0 -1)U(-x)=(cosx^2-sinx^2 2sinxcosx 2sinxcosx sinx^2-cosx^2)
=(cos2x sin2x sin2x -cos2x)

って計算結果を流用できます。

同じ構造の計算を何度もやってたら、死ぬからな。


こういうのを覚えてください。

toudai2012ri65.jpg

U(t)AU(-t)-Bはsint^2=1-cost^2に注意して

U(t)AU(-t)-B=(a-b)(cost^2 sintcost sintcost -cost^2)

これでTrはトレースと言って、大学の線型代数で使う記号やけどこれも対角の成分だけ計算すればええわけやな。

全部計算するんじゃなくて、関係ある計算だけするねん。


f(x)=(a-b)(cost^2cos2x+sintcostsin2x+sintcostsin2x+cost^2cos2x)
=2(a-b)(sintcostsin2x+cost^2cos2x)

これはxの式としてはAsinx+Bcosx型やから、合成して
√(A^2+B^2)sin(x+α)
でx+αは余裕で一周してまうから
最大値√(A^2+B^2)
最小値-√(A^2+B^2)

って言うやつですね。

だから

f(x)=2(a-b)(√((sintcost)^2+(cost^2)^2))sint(2x+α)
=2(a-b)|cost|sin(2x+α)

αは実数って書くだけでもいいと思います。

√の中は

√cost^2になるので|cost|に注意してください。


(2)
toudai2012ri66.jpg

同じように計算していきましょう

U(t)CU(-t)はtをtに、aをa^c、bをb^cにすればいいから

(a^ccost^2+b^csint^2 (a^c-b^c)sintcost (a^c-b^c)sintcost a^csint^2+b^ccost^2)D

Trも関係ある計算だけ考えて

Tr(U(t)CU(-t)D)=a^cb^(1-c)cost^2+bsint^2+asint^2+b^ca^(1-c)cost^2


またTrを計算するから関係あるとこだけ計算して

U(t)AU(-t)+B=(acost^2+bsint^+b * * asint^2+bcost^2+a)

*は大学ではよく使う表現の仕方ではあるとこやな。

Tr(U(t)AU(-t)+B)=2a+2b


これで与式を整理して

2(a^cb^(1-c)cost^2+bsint^2+asint^2+b^ca^(1-c)cost^2)-2(a+b)+2(a-b)|cost|≧0

とりあえずcosだけの式にして

(a^cb^(1-c)-b-a+b^ca^(1-c))cost^2+(a-b)|cost|≧0

これでcostの式になりましたが、cost^2=|cost|^2なので

(a^cb^(1-c)-b-a+b^ca^(1-c))|cost|^2+(a-b)|cost|≧0

で|cost|の式です。

これが全てのtについて成立すればいいから、構造としてはただの二次式で

T=|cost|とおいて

(a^cb^(1-c)-b-a+b^ca^(1-c))T^2+(a-b)t≧0

T((a^cb^(1-c)-b-a+b^ca^(1-c))T+(a-b))≧0

toudai2012ri67.jpg


でT≧0やから

(a^cb^(1-c)-b-a+b^ca^(1-c))T+(a-b)≧0

が0≦T≦1の任意のTで成立したらええねん。

もうここまで来たら一次式ですね。


つまり最小値が0以上であればええねんけど、これはただの一次関数です。

と言うことは、最小値はT=0またはT=1でとります。


だから

min(0≦T≦1){(a^cb^(1-c)-b-a+b^ca^(1-c))T+(a-b)}
=min{a-b,a^cb^(1-c)+b^ca^(1-c)-2b)}

つまりT=0を入れたa-bと
T=1を代入したa^cb^(1-c)+b^ca^(1-c)-2b

の小さい方が0以上であればいいねん。

要するに両方0以上やったらええねん。


これは東大でよくある処理ですね。

a≧bよりa-b≧0はすぐにわかります。

a^cb^(1-c)+b^ca^(1-c)-2b

の方も相加相乗平均の関係使えばすぐにでます。

aもbも正やから

a^cb^(1-c)+b^ca^(1-c)-2b≧2√{a^cb^(1-c)+b^ca^(1-c)}-2b
=2(√(ab)-b)
=2√b(√a-√b)≧0

と簡単にできます。

東大は相加相乗平均の関係は何故か多いです。


考えてみれば、計算だけのしょうもない問題やけど東大らしいと思います。

工夫の仕方とか、見やすい書き方、整理の仕方、処理の仕方まで覚えるって言うのを意識したってください。



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東京大学2012年度理系第五問、行列の問題の解説
わたしは、これからどのように生きていけばよいのでしょうか…?


東京大学2012年度理系第5問の解説
[問題]
toudai2012ri51.jpg

行列A=(a b c d)が次の条件Dを満たすとする。
(D)Aの成分a,b,c,dは整数である。
また,平面上の4点(0,0),(a,b),(a+c,b+d),(c,d)は,面積1の平行四辺形の4つの頂点をなす。
B=(1 1 0 1)とおく。次の問いに答えよ。

(1)行列BAとB^-1Aも条件(D)を満たすことを示せ。
(2)c=0ならば,AにB,B^-1のどちらかを左から次々にかけることにより,4個の行列
(1 0 0 1),(-1 0 0 1),(1 0 0 -1),(-1 0 0 -1)のどれかにできることを示せ
(3)|a|≧|c|>0とする。BA,B^-1Aの少なくともどちらか一方は,それを(x y z w)とすると
|x|+|x|<|a|+|c|
を満たすことを示せ


((a b c d)は行列
a b
c d
を表してます)

[解答と解説]
(1)
toudai2012ri52.jpg

まず4点(0,0),(a,b),(a+c,b+d),(c,d)は,面積1の平行四辺形を式にあらわしたいとこですが、これはいつもの三角形の面積の公式
OA→=(x_1,y_1),OB→(x_2,y_2)とすると

△OAB=1/2・|x_1y_2-x_2y_1|

の2倍を使います。


と言うよりも、むしろ
|x_1y_2-x_2y_1|が平行四辺形の面積で、その半分が三角形なんですね。

これは
OA→=(a,b),OB→=(c,d)と書けば
|ad-bc|
です。

なんかどっかで見たことある式です。

まあ行列式ってやつやな。


実は行列式って、その行列を構成してる二つのベクトルが作る面積をあらわしています。
これはn次の行列で言えることで、行列式は体積要素と言う幾何的な見方もあるわけやねん。

toudai2012ri53.jpg

ちなみに3×3行列の行列式なら、その行列を構成する3つのベクトルで張られる平行六面体の体積をあらわします。


まあ高校なら2×2の行列ばかりですが、行列式が平行四辺形の面積と言うのは知っていていいと思います。

toudai2012ri54.jpg

と言うことでAは(D)を満たすから

|ad-bc|=1
です。

BAは計算すると(a+c b+d c d)
よってこれは成分が全部整数で面積は
|(a+c)d-(b+d)c|=|ad-bc|=1

だから(D)を満たします

B^-1Aは(a-c b-d c d)でこれも成分は整数で面積も
|(a-c)d-(b-d)c|=|ad-bc|=1

これも(D)を満たしています。

toudai2012ri55.jpg

ちなみに行列式は
det(AB)=detAdetB
が成立するから

detB=1よりdetB^-1=1でdet(BA)=det(B^-1A)=detBdetA=detA
なので当たり前と言えば当たり前の結果です。


(2)
前問は誘導になってるはずやから…

とりあえずAに左からB^-1やBを何度かけても成分は整数と言うことはわかります。

後は面積1やな。


面積が1やから行列式が1やろ。

でもそれは当たり前なわけや。


ところが面積1なんですね。

ですです。

ですので…


って考えると続けると、

わたくしこれからどのように生きていけばいいでしょうか?

ってメール送りつけることになって相手を困らせます、


こういう時は、

もっと大切な方針として具体的にやってみる

です。

toudai2012ri56.jpg


BAを計算してみると(a b+d 0 d)
B^2Aを計算してみると(a b+2d d)

これにB^-1をかけても、意味がないとこやな。

B^-1Aを計算してみると(a b-d 0 d)
B^-2を計算してみると(a b-2d 0 d)

と言うことは

B^nA=(a b+nd 0 d)

ってことですね。

それでc=0で|ad-bc|=1やからad=±1で
a=±1,d=±1

やから、適当なnを選んでb+nd=0って出来て終了です。

n=-b/dは整数やしな。

toudai2012ri57.jpg

これはめっちゃ簡単なんですが、なれていないと全然違うアプローチをとって難しいと思います。

使う知識がほとんどなく具体的にやってみて処理能力を聞いてるとこはやっぱり東大らしいです。

むしろそういう処理まで知識として覚えて欲しいとこやけどな。


(3)
toudai2012ri58.jpg

たぶん同じような感じでやるんやろな。

まず条件を整理してみましょう。

BA=(a+c b+d c d)
B^-1A=(a-c b-d c d)

だからx=a+cまたはx=a-c
z=cで

|x|+|z|<|a|+|c|



|a+c|+|c|<|a|+|c|
または
|a-c|+|c|<|a|+|c|


|a+c|<|a|
または
|a-c|<|a|

とかなり簡単な式になります。

そしてこの問題での条件は
|a|≧|c|>0

です。


さっきと同じように具体的にやってみましょう。

toudai2012ri59.jpg

例えば
a=3,c=1なら
|a+c|=1+3=4
でこれは3より大きいから|a+c|<|a|は満たしませんね。

|a-c|=3-1=2
やからこれは3より小さいので|a+c|<|a|を満たします。


まさかこれまでの問題が全然関係なく、これだけでいけてまうんちゃうん。

a=3,c=-1なら
|a+c|=2<3でオッケー

a=-3,c=1なら
|a+c|=2<3でオッケー

a=-3,c=-1なら
|a-c|=2<3でオッケー


要するに異符号なら|a+c|<|a|,
同符号なら|a-c|<|a|


で終わりってやつやですね。

toudai2012ri510.jpg

と言うことで僕の解説を終わります。

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Author:かずゆき
京都大学理学部で数学と物理を勉強し、数学を専攻しました。

わんこら日記
予備校などで数学講師やってます。

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