受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

行列の問題、慶應大学2009年度理工学部B1の解説
慶應大学2009年度理工学部の問題B1の解説、うへ~


[問題]
090428_m1.jpg
B1
xy平面上において円C:x^2+y^2=1と直線l:2x-y=0を考える。

(1)行列(1 -1 1 1)で表される1次変換によって、円Cはどのような図形に移るか。理由をつけて答えなさい。

(2)円Cと直線lとの交点の座標は((ヒ),(フ)),((ヘ),(ホ))である。

(3)円Cを円Cに移し、直線lを直線lに移す1次変換を表す行列A=(a b c d)をすべて求めなさい。
求める過程も示すこと。



[解答と解説]
(1)
090428_m2.jpg


お兄さんとしては行列(1 -1 1 1)を見たらπ/4回転させて√2倍する行列ってことわかって欲しいわけやな。
でもそんなお兄さんの期待を裏切っても大丈夫。

お兄さんはちょっと悲しいけど、そういうのなれてるから。

そう…なれてるから…

うっ…


ええからはよ説明せい!

π/4回転させて√2倍する行列ってわからなくても何となく出来ると思いますが、

円C上の点は(cosθ,sinθ)(0≦θ<2π)って言う表示が簡単になりやすいと思います。

これで(1 -1 1 1)で変換すると
(√2cos(θ+π/4),√2sin(θ+π/4))
に移って、π/4≦θ+π/4<2π+π/4でちゃんと一周するから半径√2の原点中心の円になります。

(2)
もうこれは連立して解くだけですね。
2x-y=0からy=2xでこれをx^2+y^2=1に代入して
x^2+4x^2=1⇔x^2=1/5
だから
x=±1/√5でy=2xだから
(x,y)=(1/√5,2/√5),(-1/√5,-2/√5)

(3)
090428_m3.jpg

この問題は(2)からAの変換で交点も再び交点に移らないといけないから、それで結構必要条件が出ますが、今回は行列の勉強と言うことで

円C上が円Cに移るAの必要十分条件

を求めたいと思います。

まず

円C上の点は(cosθ,sinθ)(0≦θ<2π)って言う表示であらわされたから
これをAによって移すと

(acosθ+bsinθ,ccosθ+dsinθ)
これが円上の点になるには
(acosθ+bsinθ)^2+(ccosθ+dsinθ)^2=1

(a^2+c^2)(cosθ)^2+2(ab+cd)cosθsinθ+(b^2+d^2)(sinθ)^2-1=0…[1]

これが0≦θ<2πとなるすべてのθで成立しなければならないから、こういうのはcosθ=0とかsinθ=0となるようなθを代入して必要条件をだしていくのがコツで

θ=0の時より,a^2+c^2=1
θ=π/2の時より、b^2+d^2=1

それでこれらを[1]に代入するとすべての実数θで

(ab+cd)cosθsinθ=0

がなりたたなければならないから、適当にθ=π/4でも入れて

ab+cd=0

よて
a^2*c^2=1…[2]
b^2+d^2=1…[3]
ab+cd=0…[4]

が必要条件になります。

090428_m4.jpg

しかし[2][3][4]が成り立てば、任意のθで[1]が成り立つから必要十分条件になってます。

よって

Aによって円Cが円Cに移る⇔[2][3][4]

です。


それでこの[2][3][4]の式が出てこれば[2]は二乗を足すと1になるから
a=cosα,c=sinα(0≦α<2π)
とか置けるのに注意して欲しいねん。

こういうのは最後に書くけど回転か、鏡映とか言う変換になると言うちょっと大学の線形代数の領域になるけど、そういう背景があるねん。
それでこの背景が結構、入試問題に∂ねん。

そこでこれらの式を見ると、a=cosα、c=sinαって置くのを覚えてください。

そしたら
[4]は
bcosα+dsinα=0
b^2+d^2=1
でこれを解くと、
cosα=0の時は、d=0,b=±1

cosα≠0の時はb消去して
d^2=(cosα)^2
より
d=±cosαでb=-dsinα/cosαから
(b,d)=(-sinα,cosα),(sinα、-cosα)

これはcosα=0の時も含む。

090428_m5.jpg

よって
[2][3][4]⇔(a b c d)=(cosα -sinα sinα cosα),(cosα sinα sinα -cosα)

ってαだけで表せるわけや。

これはもちろん円Cを円Cに移す必要十分な条件になってます。

それでここまで求めて後は、l上の任意の点がこの変換でl上の点になるようなαを求めたらよくて

l上の点はtを実数として(t,2t)とおけて
A(t 2t)=((a+2b)t (c+2d)t)
これがすべての実数tでl:2x-y=0上の点になるには

090428_m6.jpg

2(a+2b)t-(c+2d)t=0

(2a+4b-c-2d)t=0

がすべての実数tで成り立たなければならないから

2a+4b-c-2d=0…[5]

です。

後は[5]に
(a b c d)=(cosα -sinα sinα cosα),(cosα sinα sinα -cosα)
とかを代入するだけで

(a b c d)=(cosα -sinα sinα cosα)を代入すると

sinα=0⇔α=0,π

だから

(a b c d)=±(1 0 0 1)

です。
単位行列または単位行列×(-1)ですね。

最後に
(a b c d)=(cosα sinα sinα -cosα)
を代入すると

4cosα=-3sinα

090428_m7.jpg

両辺二乗して整理すると
sinα=±4/5
4cosα=-3sinαから
(cosα,sinα)=±(-3/5,4/5)

よって
(a b c d)=±(-3/5 4/5 4/5 3/5)

これでやっと
(a b c d)=±(1 0 0 1),±(-3/5 4/5 4/5 3/5)

って求まったな。

もうあかん疲れた。

ふにゅもうあかんわ…


でも最後にもうひと頑張りして

090428_m8.jpg

(a b c d)=(cosα -sinα sinα cosα),(cosα sinα sinα -cosα)

の意味は
(a b c d)=(cosα -sinα sinα cosα)
はこれはよく知ってるようにα回転させる一次変換になります。

それでよく似た
(a b c d)=(cosα sinα sinα -cosα)
の方は同じように(cosβ,sinβ)に作用させて加法定理使うと
(cos(α-β),sin(α-β))
とか言う点に移ります。

これはx軸について折り返して(β→-β)

α回転(-β→α-β)

する一次変換です。

これは結局のところ

y=(tan(α/2))xに関して、対称移動させる一次変換です。

これは対称移動だから、鏡に映したような変換、鏡映とか言います。

さすがに鏡映は大学の範囲ですが、こういう問題の背景を知ってるとかなりやりやすくなります。

詳しくは→距離を保つ一次変換である直交変換の行列は回転か鏡映参照

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三次方程式の問題、慶應大学2009年度理工学部のA4の解説
もしよかったら工事の音を聞きながら、数学やってくれ。



慶應大学2009年度理工学部の問題A4の解説

[問題]
090427_m1.jpg
a>0とする。このとき、3次方程式
(x^3+3x)/2=a
はただ一つの実数解x(a)>0をもつ。正の数Rに対し,0<a≦Rの範囲でaを動かすとき、対応する実数解x(a)が整数となるようなaの個数をN(R)とする。
N(R)=1となるようなRの範囲は(ナ)≦R<(ニ)である。
x=u - 1/uとおき、(x^3+3x)/2をuで表すと(ヌ)である。したがって、x(a)をaを使って表せば
x(a)=(√(ネ))^(1/3)-1/(√(ネ))^(1/3) ((√(ネ))^(1/3)>0)
となる。
L=lim(R→∞)R^(-c)N(R)が有限な正の値となるのはC=(ノ)のときであり、そのときL=(ハ)である。



[解答と解説]
090427_m2.jpg

f(x)=(x^3+3x)/2とおいて、y=f(x)のグラフを考えてy=aを動かして交点を考える方針です。

なんか問題A3とかぶってるような気がするけどな。

f(x)を微分してみると
f'(x)=3(x^2+1)/2>0
からf(x)は増加関数なことがわかります。

だからグラフを書いたらy=aとの交点は一つってことがわかってるもらえると思う年頃やな。

y=aを0から上に動かしてxのとこが整数になる交点はまずf(1)=2から(1,2)。

それでさらに上に動かすと次xのとこが整数になるのはf(2)=7から(2,7)。

だからaは2以上まで動かないと、整数になるのは1個にならないし、7までいってまうと整数になるのが2個になってまうから7未満を動かなあかんわけや。

よって2≦R<7ってわかります。

こうやってグラフを書いてy=aを上下させてaの最大値はどの範囲になればいいのか考えたってくれ。


今日はこの辺で終わろか。


なんでそんな中途半端なことするねん。

x=u-1/uとおくと…ってありますが、この手の三次方程式の解き方やな。

えっと

(x^3+3x)/2=(u^3-3u+3/u-3/u^3+3u-3/u)/2
=(u^3-3/u^3)/2

だから方程式をuで表すと
(u^3-1/u^3)/2=a

u^6-2au^3-1=0

これはu^3の二次方程式やから
u=a±√(a^2+1)

090427_m3.jpg

それでx(a)の値は一つなはずやけど、uが二つの値になってるのは
その二つの解をu_1,u_2とすれば解と係数の関係から
u_1^3・u_2^3=-1

u_1・u_2=-1

これから

u_1-1/u_1=-1/u_2+u_2=u_2-1/u_2

だからx=u-1/uはどっちの値でも同じやから結局xは一つに決まるねん。

問題文からは3乗根の中が正での表し方やから

x(a)=(a+√(a^2+1))^(1/3)+1/(a+√(a^2+1))^(1/3)

090427_m4.jpg

最後にあれや。
R^(-c)N(R)の極限ですわ。

まあN(R)はようするにx(R)の整数部分のことやからR^(-c)x(R)考えたら終わりやねんけど、一応数学的にちゃんとやるには
M(R)≦x(R)<N(R)+1

x(R)-1<N(R)≦x(R)

R^(-c)(x(R)-1)<R^(-c)N(R)≦R^(-c)x(R)

これで挟みうちの原理的に解くねんけど、

左辺=R^(1/3-c)((1+√(1+1/R^2))^(1/3)+(1-√(1+1/R^2))^(1/3)-1/R^(1/3))

右辺=R^(1/3-c)((1+√(1+1/R^2))^(1/3)+(1-√(1+1/R^2))^(1/3))

これからc>1/3やとR→∞で左辺→∞でR^(-c)N(R)は∞に発散

C=1/3やとR→∞で左辺→2^(1/3),右辺→2^(1/3)
よってR^(-c)N(R)→2^(1/3)

c<1/3やとR→∞で右辺→0だからR^(-c)N(R)は0以下になってまうわけや。

だからc=1/3の時にLは有限な正の値の2^(1/3)になりました。

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微分の問題、慶應大学2009年度理工学部のA3の解説
今日は寒いかったから、鼻から血出たわ。


慶應大学2009年度理工学部の問題A3の解説いきます。

[問題]
a>1とする。xy平面上において点(a,a)を中心とする半径rの円
(x-a)^2+(y-a)^2=r^2
を考える。この円が曲線C:xy=1(x>0)に接するのは、半径rがどのような値のときであるか調べてみよう。
この半径rの円が曲線Cと接するとき、その接点のx座標は、曲線
y=f(x)=(x-a)^2+(1/x - a)^2
と直線y=r^2が接する場合の接点のx座標と一致する。
1<a≦(ソ)のとき、y=f(x)はx>0においてx=a_0=(タ)でのみ極小となる。よって、x座標がa_0なる点において半径r=(チ)の円だけが曲線Cに接する。
a>(ソ)のとき、y=f(x)はx>0においてx=a_0で極大となり、x=a_1=(ツ),
x=a_2=(テ)(a_1<a_2)において極小となる。したがって、x座標がa_0なる点で曲線Cに接する円のほかに、半径r=(ト)の円がx座標がa_1,a_2なる2点において曲線Cに接する。



[解答と解説]
090426_m1.jpg

y=f(x)の式は、円の式の左辺でyが1/xになってるからy消去して
(x-a)^2+(1/x - a)^2=r^2
で変数分離の考え方から、y=r^2とy=f(x)=(x-a)^2+(1/x - a)^2を考えて
y=f(x)=(x-a)^2+(1/x - a)^2
のグラフを書いてy=r^2が接するようにすれば良いってやろうとしてるわけやな。

まあ変数分離とか言うても、元から分離されてるけどな。

ただ、この誘導が無いと横の受験生にペットボトルで襲いかかることになりそうな感じがします。

文章を何となく読んどったら、極小とか出てくるから微分するんやろな。


f'(x)=2(x-a)+2(1/x -a )(-1/x^2)
=2(x-1)(x+1)(x^2-ax+1)/x^3

はい、いいですね。

微分したらこうやって因数分解って言うのが、そらもうあれやろ。

だから
x^2-ax+1
のとこがaの値によって常に0以上やったりとか、負になったりとかするから、判別式をDとして
D=a^2-4
=(a-2)(a+2)
でこれで場合分けをします。

x=a_0のみで極小って書いてるから、x^2-ax+1は常に0以上⇔D≦0⇔-2≦a≦2の時の場合になります。
a>1やったから、1<a≦2の時です。
この時は定義域はx>0だから(x-1)だけがf'(x)の正負にかかわっててx=1で極小になることが増減表かいたらわかります。
だからa_0=1で
lim(x→+0)f(x)=∞に注意してグラフを書くと、y=r^2がy=f(x)に接するのは極小になってるx=a_0のところです。

だからf(a_0)=r^2となる時が円が曲線Cに接する時です。

これを解いていって
f(a_0)=f(1)=2(1-a)^2
でr>0だから
r=(√2)(a-1)


090426_m2.jpg

次はD>0⇔a<-2,2<aの時でa>1から2<aの時を考えるとこれは
x^2-ax+1=0
は異なる二つの解を持つから、それをα,βおくと(α>β)
(x-1)の因子からx=1とα,βは一体どういうお関係なのか知りたくなりますが、

g(x)=x^2-ax+1
とおくと
g(1)=2-a<0
より二次関数y=g(x)のグラフを考えたら、x<1と1<xでx軸で交わるのがわかります。

だから
β<1<α

なわけやな。

これでf(x)の増減表が問題文からβもx>0に入るんやろなって書けるけど、ほんまはβは0より大きいことを証明して定義域x>0に入ってることを証明しとかなあかんから、一番簡単なのは解と係数の関係から

α+β=a-1>0
αβ=1>0

やから
α+β>0かつαβ>0

α>0かつβ>0
でオッケー

増減表を書いて
x=a_0=1で極大

x=a_1=β=(a-√(a^2-4))/2
x=a_2=α=(a+√(a^2-4))/2
で極小となることがわかります。

それで問題文から極小値になるf(α)とf(β)はどうも等しいみたいやけど、それは解と係数の関係からαβ=1だから
f(α)=(α-a)^2*(1/α - a)^2
=(1/β - a)^2+(β-a)^2
=f(β)
と確かに上手いこと同じ値になってます。

090426_m3.jpg

グラフ書いてみると、y=r^2がf=(x)に接するのはx=a_0(=1)のところと
x=a_1(=β)とx=a_2(=α)
のところです。

これは同じ値やから
f(α)=r^2
を解いて
r^2=a^2-2
と思ったより綺麗な値になります。

それでr>0やから
r=√(a^2-2)の円とわかりました。

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