受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

ベクトルの内積の意味
ベクトルの内積はどういう意味かわからない、そして意味がわからないものは使いたく無いと言うことでベクトルが苦手になってしまう人がいます。

そういう人のために、ベクトルの内積を解説したいと思います。

a,b,cをベクトルとします。
余弦定理より
|a|^2+|b|^2-2abcosθ=|a-b|^2
だから
a・b=abcosθ

a=(a1,a2)
b=(b1,b2)
とすると
a=a1(1,0)+a2(0,1)
b=b1(1,0)+b2(0,1)
で(1,0)⊥(0,1)
(1,0)・(0,1)=0
(1,0)・(1,0)=1
(0,1)・(0,1)=1

a・b=a1b1+a2b2
こういうのは覚えるイメージとしてはいいです。

しかし、この
a・b=(|a|^2+|b|^2-|a-b|^2)/2
内積とは余弦定理だという定義では
α,βを実数とすると
(αa+βb)・c=α(a・c)+β(b・c)
という分配則などの計算が何故許されるのか、そもそも
|a-b|^2=|a|^2-2a・b+|b|^2
と何故展開が許されるかも不明で納得いきません。
実際にこれだけでは一般的な内積は定義できません。
ただ、高校の場合ユークリッド空間なのでこの内積で、例えば成分表示などすれば
a・b=a1b1+a2b2
となるので
(αa+βb)・c=α(a・c)+β(b・c)
はすぐに確かめられ、ちゃんと定義できていることにはなります。

そうはいっても、何か納得しない。
手品師に手品された気分です。
ということで、ここからは少し話は難しいですが内積とは一体何をやってるのか解説していきたいと思います。
まずベクトルを定義します。

ある集合Vが実数上のベクトル空間であるとは、
任意のa,b∈Vに対し和a+b∈Vが定義され
任意の実数αに対し積αa∈Vが定義されていて、(線型性の公理)
a,b,c∈V、α,βを実数として次の条件を満たす時である。
1,(a+b)+c=a+(b+c)(加法の結合法則)
2,a+b=b+a(加法の交換法則)
3,a+0=aとなる0∈Vが存在(零元の存在)
4,任意のa∈Vに対して、a+(-a)=0となる-a∈Vが存在(逆元の存在)
5,α(a+b)=αa+αb、(α+β)a=αa+βa(分配則)
6,(αβ)a=α(βa)(スカラー乗法の結合法則)
7,1a=a(単位元の存在)

ちょっと難しいかもしれませんが簡単に言えば
線型性の公理は足してもベクトル、実数をかけてもベクトルというベクトルの特徴に対応してて、
それが分配法則やらなんやらが成り立って数字のように計算できるものをベクトルと定義をしていると言うことです。

この段階では、内積は定義してなくて例えば(身長cm、体重kg、年齢)を考えて
あき(154,42,14)
萌(148,38,18)
よし子(178,55,60)
とすると、これは一応
1/3(154,42,14)+1/3(148,38,18)+1/3(178,55,61)=(160,45,98/3)
とか平均とかをベクトルとして計算できると言えばできんことも無いです。

しかしベクトルとは長さと向きを持つと教えられましたが、
あきの(154,42,14)で長さとか向きとか考えても何のことかわかりません。
よし子が還暦迎えたことぐらいしかわかりません。


このベクトルの定義では、内積は定義してませんでした。
つまりベクトルの長さや向きは内積を考えることで定義されるのです。


まずは距離の話をしましょう。
集合Xの元x,yに対して、実数d(x,y)が定義されていて
x,y,z∈Xとして次の条件を満たす時、dを距離という。
1,d(x,y)≧0
2,d(x,y)=0⇔x=y
3,d(x,y)=d(y,x)
4,d(x,z)≦d(x,y)+d(y,z)(三角不等式)


いきなり抽象的ですが、距離は0以上の数で、同じ点同士の距離は0で、二点のどっちから計っても同じ距離で、三角不等式が成り立つことと定めています。
よく知っている距離と言えば普通Xがxy平面で座標が
x=(x1,x2),y=(y1,y2)の時
d(x,y)=√{(x1-y1)^2+(x2-y2)^2}
ですが、これは上の距離の条件を満たしています。

d(x,y)=|x1-y1|+|x2-y2|
と定義しても
条件1,2,3が成り立つのは自明として、よく知られている絶対値の三角不等式から
|x1-z1|≦|x1-y1|+|y1-z1|
|x2-z2|≦|x2-y2|+|y2-z2|
なので
|x1-z1|+|x2-z2|≦|x1-y1|+|x2-y2|+|y1-z1|+|y2-z2|
だから4も成立するので距離です。
これはマンハッタン距離とか言われてます。
d(x,y)=max(1≦i≦n){|xi-yi|}
つまり1≦i≦nで|xi-yi|が一番大きいのをd(x,y)とするとこれも距離になります。
後は
d(x,y)をx=yなら0、x≠yなら1と定義しても条件を満たし距離となります。
このように距離とは色々あります。


内積を定義することで長さと向きが定義されますが、この距離を定めるために長さを定義すると考えてください。
ここでの長さって言うのは広い意味で、ノルムと呼ばれるものです。
ノルムを定義すれば距離の条件を満たし距離として扱えます。
ノルムとは
ベクトル空間Vでa∈Vに対して、実数||a||が対応していて次の条件を満たす時Vにノルムが定義されているといい、||a||をノルムと言う。
a,b∈V、αを実数として
1,||a||≧0
2,||a||=0⇔a=0
3,||αa||=|α|||a||
4,||a+b||≦||a||+||b||(三角不等式)

これはベクトルの長さを距離みたいに、0以上で、0なら零ベクトルで、α倍のベクトルの長さは元のベクトルの長さのα倍で、三角不等式が成り立つと定義しています。
例えば数直線上の絶対値とかも、このノルムですね。
高校では複素数上のベクトルは考えないので、今は扱っていませんが
|x+iy|=√(x^2+y^2)
もこのノルムです。

この長さ(ノルム)は距離の条件を満たします。
このノルムで距離を
d(a,b)=||a-b||
と定義すれば
a,b,c∈Vとして、|a+b|≦|a|+|b|でaをa-b、bをb-cと置き換えるとa+bはa-cに置き換えられて
|a-c|≦|a-b|+|b-c|
つまり
d(a,c)≦d(a,b)+d(b,c)
で距離の条件を満たし長さ(ノルム)を定義すればで距離になることがわかります。

よって距離の条件を満たします。



内積はこの長さ(ノルム)の条件を含むように定義される必要があります。
内積が定義されたベクトル空間を計量ベクトル空間と言います。
ここで抽象的ですが、内積の定義をします。


ベクトル空間Vでa,b∈Vに対して、実数(a,b)が定義されいて次の条件を満たす時Vの内積と言う。
a,b,c∈V、α,βを実数として
1,(a,a)≧0で等号成立はa=0(正値性)
2,((αa+βb),c)=α(a,c)+β(b,c)(準双線形性)
3,(a,b)=(b,a)(対称性)

同じもの同士の内積は0以上で、分配法則が成り立って、対称である。
分配法則と対称性から二乗が展開できたりなど普通に掛け算が計算ができるので、要するに普通に掛け算が計算ができるものを内積と定義しています。

ここでは(a,b)をa、bの内積と定義しています。
これを満たせばとりあえず内積なので、その色々ある内積のうち高校で使うユークリッド空間での標準内積を
a・b
と書くことにします。


距離のように例えば、開区間(a,b)で積分ができる実数関数x(t),y(t)で
x(t)・y(t)=∫(a,b)x(t)y(t)dt
と定めるとこれもすぐに分かりますが内積の条件を満たします。
だから量子力学では波動関数の内積を
<g|f>=∫dqg(q)*f(q)
と定めています。
g(q)*はg(q)の複素共役でdqを前にかいてますが、これは単に物理での慣習です。

話はそれましたが、内積も色々定義できるわけです。


ここで、長さ(ノルム)を
|a|=√(a,a)
と定めるとします。
||a||はめんどくさいので、高校数学で使う|a|とします。
すると、シュワルツの不等式
|(a,b)|≦|a||b|
がなりたちます。

シュワルツの不等式はα,β,γ,x,y,zを実数として
(αx+βy+γz)^2≦(a^2+b^2+c^2)(x^2+y^2+z^2)
とか
{∫(a,b)f(t)g(t)dt}^2≦∫(a,b){f(t)}^2dt∫(a,b){g(t)}^2dt
と習ったかもしれませんが
これは
a=(α,β,γ)
b=(x,y,z)
でユークリッド空間の内積(高校で使ういつもの内積)を入れて
|a・b|^2≦|a|^2|b|^2
に代入すると成立
a=f(t)
b=g(t)
で内積を
(a,b)=∫(α,β)f(t)g(t)dt
と定義すれば、これは内積の条件を満たしていて
|a|^2=∫(a,b){f(t)}^2dt
|b|^2=∫(a,b){g(t)}^2dt
で|(a,b)|^2≦|a|^2|b|^2に代入すれば成立。
とこういう風に同じものなので、シュワルツの不等式と同じ名前がついています。

それではシュワルツの不等式の証明はたまに出るので覚えてください。
[証明]
a=0の時は自明。
a≠0の時、任意のa,b∈Vとして実数tを変数として
|ta+b|^2≧0
だから
t^2|a|^2+2ta・b+|b|^2≧0
これが全ての実数tで成り立たなければならないので、判別式DとするとD≦0だから
D/4=(a,b)^2-|a|^2|b|^2≦0
|(a,b)|^2≦|a|^2|b|^2
∴|(a,b)|≦|a||b|


シュワルツの不等式が示されました。
これが何なのか言うと、
(a,b)^2≦|a|^2|b|^2
⇔|a|^2+2(a・b)^2+|b|^2≦|a|^2+2|a|^2|b|^2+|b|^2
⇔|a+b|^2≦(|a|+|b|)^2
両辺正より
|a+b|≦|a|+|b|
三角不等式が成り立ちます。
だから、ノルムの条件が満たされていることがわかります。
内積を定義することで、ノルムも定義されたことになります。



シュワルツの不等式によって、内積を定めると長さ(ノルム)、距離が定まるのがわかりました。

またシュワルツの不等式から
-1≦(a,b)/(|a||b|)≦1
なのでa≠0,b≠0に対してa,bのなす角θを
cosθ=(a,b)/(|a||b|)
を満たす0≦θ≦πと定義します。(πは180°のこと)

これによって、内積を定義することでベクトルに向きが定義できました。

ここで
(a,b)=1/2(|a|^2+|b|^2-|a-b|^2)
であるので、長さで表すと
cosθ=(|a|^2+|b|^2-|a-b|^2)/(2|a||b|)
です。


これはよく見る形ですね。
そうです、これは余弦定理と同じ形です。
この角度θは広い概念での角度です。
ぐねぐね曲がった平面で計った角度かもしれません。


よく考えると、長さも向きも定義できたのにまだ内積を具体的に定義していません。

内積を定義すれば長さや向きが導入されます。
内積には色々ありました。
その内積のうち、ユークリッド空間での長さや向き(角度)に一致するものを選びます。
長さ|a|や角度θはぐにゃぐにゃに曲がった空間やら色々な空間ごとに違いますが、
例えば一番わかりやすいのが地球儀とメルカトル図法の地図で北極付近の長さとか全然違います。
だからその色々ある長さや角度のうち、|a|、|b|がユークリッド空間での長さ、θをユークリッド空間での角度とした
(a,b)=|a||b|cosθ
と具体的に内積を一つ定めます。
これは余弦定理に一致する定義です。
この内積の定義を
a・b
とします。
a・bを定めることで、ベクトルにユークリッド空間での長さ角度が導入されて長さや角度が計算できるようになりました。


さてここで実際に計算してみようと思います。
二次元平面のベクトルの問題ではまず平行でない二つのベクトルa,bを選んで、
a・b
を求めてから、あらゆるベクトルをa,bで表して解きましたね。

例えば平行四辺形ABCDの問題でAB=3、BC=5
∠ABC=60°でBCの中点をMとした時、MDの長さを求めよって問題をベクトルで解いてみましょう。
h4_1.jpg

BA↑=a
BC↑=b
とすると、
a・b=|a||b|cos60°
=15/2

MはBDの中点より
BM↑=1/2BC↑
=1/2b
また
AD↑=BC↑=b
だから
BD↑=BA↑+AD↑
=a+b
なので
MD↑=BD↑-BM↑
=a+b-1/2b
=a+1/2b
MD=√|MD↑|^2
=√(a+1/2b)^2
=√(|a|^2+a・b+|b|^2/4)
=√(9+15/2+25/4)
=(√91)/2

この問題では実は
a・b=|a||b|cos60°=15/2
と内積を定義しているとも考えることができます。
この内積は色々な内積があるうち、いつものユークリッド平面での角度と長さに対応している内積を一つ選んでいます。
抽象的なベクトルにこの内積を与えることで、ベクトルにユークリッド平面の長さと向きが定義されて計算できるようになったのです。
だから、MDの長さが計算できるわけです

射影を考えて
c={b-(b・a/|a|)a/|a|}/|{b-(b・a/|a|)a/|a|}|
なるベクトルを考えると
|a/|a||=1
|c|=1
a/|a|・c=(a・b-b・a)/|{b-(b・a/|a|)a}|=0
となり
e1=a/|a|
e2=c
とすると
結局e1をx座標の向き、e2をy座標の向きとしてxy平面でa=(a1,a2)、b=(b1,b2)って言うベクトルに表されてみんな
e1・e2=0
と直交する単位ベクトルの内積が0と定義していることと同じことになっています。

これは、内積には色々ありますがユークリッド空間での長さや角度と一致する内積
a・b
を一つ定義すると、ベクトルすべてにユークリッド空間での長さと角度が導入されているのですべてこれと同じ内積の定義となっているはずということです。

だからユークリッド空間で、このa・bって言う内積は余弦定理そのものに見えます。
しかし、これは色々ある内積のうちユークリッド空間での余弦定理や長さに一致するように内積を一つ選んできたということです。
そしてこの内積を定義することでユークリッド空間での長さや向きを導入できて計算できるということに意味があります。


それでは色々内積があるって言うのはどういうことか考えてみます。
このユークリッド空間で直交してるe1、e2に対して
(e1,e2)=α、α≠0
と内積を定義すると、まったく別の空間を考えていることになりますが


h4_2.jpg

例えば、このユークリッド平面では角度が直角で長さ1でも

h4_3.jpg


この曲がった平面では角度や、長さがかわってきます。
さっきの地球儀とメルカトル図法の例がわかりやすいでしょう。
こういうのを考えるのを、距離や角度の概念を一般化したリーマン幾何学と言って相対性理論などで使われます。
このように大学で相対性理論などやろうにも相当な専門的な数学が必要なので、数学者が研究していることも多いので注意しましょう。
ちゃんと教授と相談してどの講義とるか判断してください。



さて、そこで
(a,b)=(|a|^2+|b|^2-|a-b|^2)/2
という式がありました。
1,||a||≧0
2,||a||⇔a=0
3,||αa||=|α|||a||
4,||a+b||≦||a||+||b||(三角不等式)
そうは言っても、この長さ(ノルム)を使って内積をこれで定義すれば余弦定理に直結していてわかりやすいんじゃないと思うかもしれません。
しかし、これは最初に言ったように一般的な内積では定義できません。

内積の条件
1,(a,a)≧0で等号成立はa=0
2,((αa+βb),c)=α(a,c)+β(b,c)
3,(a,b)=(b,a)

1,3は満たすことはすぐにわかりますが2が成り立つか不明でこれが成り立たないと展開したりなど計算ができません。
しかし、更に
2(|a|^2+|b|^2)=|a+b|^2+|a-b|^2(中線定理)
が成り立つならば、これは内積と定義できます。
これを使えば、
(a,b)=(|a+b|^2-|a-b|^2)/4
です。


それでは、本当に内積の条件2が成り立つか見てみましょう。
大学の範囲を使うので興味無ければ読み飛ばしてください。
まずは、
-(a,b)=(-|a+b|^2+|a-b|^2)/4=((-a),b)=(a,(-b))
中線定理から
2(|a+b+c|^2+|c|^2)=|a+b+2c|^2+|a+b|^2
2(|a+c|^2+|b+c|^2)=|a+b+2c|^2+|a-b|^2
これを辺々引いて
2|a+b+c|^2=|a+b|^2-|a-b|^2+2(|a+c|^2+|b+c|^2-|c|^2)
この式でcを-cに置き換えた式は
2|a+b-c|^2=|a+b|^2-|a-b|^2+2(|a-c|^2+|b-c|^2-|c|^2)
この二式も辺々引いて
|a+b+c|^2-|a+b-c|^2=|a+c|^2-|a-c|^2+|b+c|^2-|b-c|^2
よって
((a+b),c)=(a,c)+(b,c)
これから自然数nに対して
((na),b)=((a+a+a+…+a),b)
=(a,b)+(a,b)+…+(a,b)
=n(a,b)
また、
-(a,b)=((-a),b)
から
-n(a,b)=n(-a,b)
=(-na,b)
従って、整数nに対して
n(a,b)=((na),b)
が成り立ち、0でない整数mに対して
m((n/m)a,b))=(((mn/m)a),b)
=((na),b)
=n(a,b)
だから両辺mで割って
((n/m)a,b))=n/m(a,b)
よって、すべての有理数tで
(ta,b))=t(a,b)
が成り立つ。

ここで、任意の二つの実数u,v(u<v)に対して
m(v-u)>1
となる自然数mをとり
n-1≦mu<n
を満たす整数nが存在し
mu<n≦mu+1<mv
だから
u<n/m<v
これは有理数は実数において稠密であると言います。
任意の実数のどんな近くにも有理数が存在することを意味しています。
だから実際、任意の実数tに対して
1=0.99999…
と考えて
x0をtの整数部分、
xk(kは自然数)をtの小数第k桁目の数字として、
tn=Σ(k=0~n)xk/10^k
とtnを定めると、これは有理数で
tn≦t≦tn+1/10^n
だから
0≦t-tn≦1/10^n→0
より
lim(n→∞)tn=t
となる、有理数の数列tnがとれることがわかる。
(というより本当は有理数のコーシー列が収束した値を実数と定義していることもある)

ノルムの三角不等式から
|a+b|≦|a|+|b|
これに、aをa-bと置き換えて
|a|≦|a-b|+|b|
⇔|a|-|b|≦|a-b|

同様に
|b|-|a|≦|a-b|
だから
||b|-|a||≦|a-b|
このことからベクトルanを
an=tna
とすると
an→ta(n→∞)
だから
||ta|-|an||≦|ta-an|→0(n→∞)
よって
|an|→|ta|(n→∞)
((tna),b)=(|tna+b|^2-|tna-b|^2)/4→(|ta+b|^2-|ta-b|^2)/4(n→∞)
=((ta),b)

tn(a,b)→t(a,b)(n→∞)
だから
(tna,b))=tn(a,b)
から
(ta,b))=t(a,b)
がすべての実数tに対して成り立つ。

従って、
((αa+βb),c)=(αa,c)+(βb,c)
=α(a,c)+β(b,c)
で内積の条件を満たす。


このように余弦定理と同じ形の長さ(ノルム)で定義すると簡単そうで、かなり長い証明になりました。
むしろ反対にものすごく回りくどくて難しいことを考えています。
掛け算ができるように内積を定義すれば、長さと向きが導入される。
これがどっちか言うと自然と思います。

しかし中線定理が成り立つ長さを定義すると、その長さで内積を定義するのは、長さや角度を簡単に掛け算ができるようにして計算するために、内積を定義しようとしたのに、その内積を長さで定義して掛け算ができるか確かめようとすると遠回りなような気もします。
実際ベクトルの内積を習うことで、幾何の計算が楽になったと思います。

そこで、掛け算ができるように内積を定義すれば長さや角度が導入され、その内積は色々ありますがユークリッド空間にあうように余弦定理と長さに一致するように定義したのが
a・b=|a||b|cosθ
で、この内積を定義するとユークリッド空間での長さや角度が導入されるわけです。

高校数学の公式や問題の解説




テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

▲ページトップへ
この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://kazuschool.blog94.fc2.com/tb.php/11-7f425512
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
▲ページトップへ
プロフィール

わんこら

Author:わんこら
京都大学理学部で数学と物理を勉強し、数学を専攻しました。
東京で数学と物理の講師やってます

わんこら日記で日記とか勉強の仕方とか書いています

わんこら式数学の勉強法

メール
迷惑メールにされる危険性があるので出来るだけ
kazuyuki_ht○guitar.ocn.ne.jp
(○を@にしてください)に送ってください
勉強とかでどんな悩み持ってるかなど色々と教えてくれると嬉しいです。
わんこら式のやり方についてのメールはわんこら式診断プログラムを参考にしてください

詳しいプロフィール

人気blogランキングへ



にほんブログ村 受験ブログへ



学生広場

相互リンクも募集してます。

何かあれば
kazuschool_ht★yahoo.co.jp
かメールフォームからメールください。
(★を@にしてください)

カテゴリー

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター

リンク

このブログをリンクに追加する

お勧めの参考書、ノート

数学でお勧めのノートは
KOKUYOの無地
理由




センター試験は過去問が大切


チャートが終わったらお勧め
大学への数学1対1シリーズ
数学1


数学A


数学2


数学B


数学3


数学C

月別アーカイブ

ブログ内検索

RSSフィード

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

  1. 無料アクセス解析