受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

2つの曲線が接する条件と、積分の極限の問題…東京工業大学2008年度前期の数学の第1問の解説
センターも終わって、もう8月は過ぎたなって言うのこの頃ですが今日は東京工業大学2008年度前期の数学の第1問、2つの曲線が接する条件と、積分の極限の問題です。


[問題]
正の実数a,bに対し、x>0で定義された2つの関数x^aとlog(bx)のグラフが1点で接するとする。

(1)接点の座標(s,t)をaを用いて表せ。また,bをaの関数として表せ。

(2)0<h<sをみたすhに対し、直線x=hおよび2つの曲線y=x^a,y=log(bx)で囲まれた領域の面積をA(h)とする。lim(h→0)A(h)をaで表せ。


[解答と解説]
(1)f(x)=x^a,g(x)=log(bx)と置きます。
2つの曲線が接するのは、接点が(s,t)って置かれてるから

f(s)=g(s)
f'(s)=g'(s)

です。
これは覚えていて欲しいんですが、意味的にはx=sで交わって(f(s)=g(s))、そのx=sでの接線の傾き同じ(f'(s)=g'(s))ってことです。
もっと数式的には
y=f(x)のx=sにおける接線は
y=f'(s)(x-s)+f(s)

y=g(x)のx=sにおける接線は
y=g'(s)(x-s)+g(s)

だから、この二つの接線が等しくになるには
f(s)=g(s)
f'(s)=g'(s)
です。


と言うことで
f'(x)=ax^(a-1)
g'(x)=1/x
と計算しておいて

f(s)=g(s)

s^a=log(bs)…①

f'(s)=g'(s)

as^(a-1)=1/s

s=(1/a)^(1/a)

だから
t=f(s)=1/a
より
(s,t)=((1/a)^(1/a),1/a)
で接点の座標は一つしか出なかったから、接点は一つになっててオッケーで

①にs=(1/a)^(1/a)を代入して

1/a=log(b)+log((1/a)^(1/a))

log(e^(1/a))-log((1/a)^(1/a))=log(b)

log((ea)^(1/a))=log(b)

b=(ea)^(1/a)

右辺と左辺をlogにしてから、中をとりました。



(2)
積分するときは、まずはグラフを書いてください。
まずグラフを描かないことにははじまりません。

x^aとlog(bx)のそれぞれのグラフはだいたいわかりますが、二つの関数の大小関係や(s,t)以外で共有点を持つかなどが積分するのには必要な情報です。

だから
F(x)=x^a-log(bx)(x>0)
を調べます。

F'(x)=ax^(a-1)-1/x
=(ax^a-1)/x

これがx=(1/a)^(1/a)のときになりますが、これはsの値でした。
よって
0<x≦sでF(x)は減少し、s≦xでF(x)は増加するから
F(x)≧F(s)=0
になります。

よって、グラフは
090120_m5.jpg

こうなって積分は


A(h)=∫(h,s)(x^a-log(bx))dx
=∫(h,s)(x^a-log(b)-log(x))dx
=[(x^(a+1))/(a+1)-(log(b))x-xlog(x)+x](h,s)
=(s^(a+1))/(a+1)-(log(b))s-slog(s)+s-{h^(a+1)/(a+1)-(log(b))h-hlog(h)+h}
=s{(s^a)/(a+1)-log(bs)+1}-{h^(a+1)/(a+1)-(log(b))h-hlog(h)+h}

log(x)の積分はxlog(x)-xは身体で覚えておいてください。
何も考えずにxlog(x)-xです。

ちょっとややこしいですが実は結構簡単に整理できて

s^a=t(←f(s)=t)
log(bs)=t(←g(s)=t)

だから(s,t)=((1/a)^(1/a),1/a)で

s{(s^a)/(a+1)-log(bs)+1}=s(1/(a(a+1))-1/a+1)
=s(1-(a+1)+a(a+1))/(a(a+1))
=s(a^2)/(a(a+1))
=a/(a+1)・a^(-1/a)


A(h)=a/(a+1)・a^(-1/a)-{h^(a+1)/(a+1)-(log(b))h-hlog(h)+h}

後は極限です。

関係するのは{h^(a+1)/(a+1)-(log(b))h-hlog(h)+h}のとこです。

これはh→0でhlog(h)以外は0なのは明確です。

lim(h→0)hlog(h)は0ですが、どこかでたぶん一回はやったことあると思います。

数学をたくさん勉強してる人ほど有利です。


よくxlog(x)のx→0の極限はロピタルの定理を使えば楽勝だよって声を聞きますが、ロピタルの定理を使うには
1/xとlog(x)はx>0で微分可能でlim(x→+0)1/x=∞,lim(x→+0)log(x)=-∞で
lim(x→+0)((log(x))')/(1/x)'=lim(x→+0)(1/x)/(-1/x^2)'
=lim(x→+0)(-x)
=0
よりlim(x→+0)((log(x))')/(1/x)'は存在するから

lim(x→+0)xlog(x)=lim(x→+0)log(x)/(1/x)
=lim(x→+0)((log(x))')/(1/x)'
=0

と正確にやらなければ大学の範囲なだけに、
あ、こいつは調子乗ってるから早めに潰しとかなあかんな
ってどう料理されるかわかりません。

だからlim(h→0)hlog(h)=0を証明するには普通に挟みうちで証明します。
lim(x→∞)log(x)/x=0はx=1/hとするとlim(h→0)hlog(h)=0だから、どっちかを証明したらオッケーです
証明するにはlog(x)<√xまたは-1/√h<log(h)を覚えていなければなりません。
片方覚えてれば、x=1/hでもう片方がでます。

ほんまに覚えていないと出来ないのかな?ってよく考えると
F(x)=x^a-log(bx)(x>0)

F(x)≧0でした。
log(x)になるようにb=1とするとb=(ae)^(1/a)よりa=1/eだから
x^(1/e)≧log(x)
って式がx>0でなりたちます。
xで割ってx>1のとき
x^((1-e)/e)≧log(x)/x>0
です。
lim(x→∞)x^((1-e)/e)=0
だから挟み撃ちの原理より
lim(x→∞)log(x)/x=0
です。
これでh=1/xとおくと
lim(h→0)hlog(h)=0
が導けました。
ちなみにx→∞の時を求めるから1<xだけ考えたらよくてlog(x)/x>0とかを作り出すのは大学の解析でもよく使うテクニックなので意識しといてください。

答えは
lim(h→)A(h)=a/(a+1)・a^(-1/a)


090120_m6.jpg
ちなみにこれはこの無限に下のほうまで続いてる部分の面積で、大学ではこれを広義積分と言います。

東京工業大学の入試の数学の過去問の解説

高校数学の入試問題などの解説




テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

▲ページトップへ
この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://kazuschool.blog94.fc2.com/tb.php/148-a16d7667
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
▲ページトップへ
プロフィール

わんこら

Author:わんこら
京都大学理学部で数学と物理を勉強し、数学を専攻しました。
東京で数学と物理の講師やってます

わんこら日記で日記とか勉強の仕方とか書いています

わんこら式数学の勉強法

メール
迷惑メールにされる危険性があるので出来るだけ
kazuyuki_ht○guitar.ocn.ne.jp
(○を@にしてください)に送ってください
勉強とかでどんな悩み持ってるかなど色々と教えてくれると嬉しいです。
わんこら式のやり方についてのメールはわんこら式診断プログラムを参考にしてください

詳しいプロフィール

人気blogランキングへ



にほんブログ村 受験ブログへ



学生広場

相互リンクも募集してます。

何かあれば
kazuschool_ht★yahoo.co.jp
かメールフォームからメールください。
(★を@にしてください)

カテゴリー

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター

リンク

このブログをリンクに追加する

お勧めの参考書、ノート

数学でお勧めのノートは
KOKUYOの無地
理由




センター試験は過去問が大切


チャートが終わったらお勧め
大学への数学1対1シリーズ
数学1


数学A


数学2


数学B


数学3


数学C

月別アーカイブ

ブログ内検索

RSSフィード

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

  1. 無料アクセス解析