受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

コーシー・シュワルツの不等式、数式と積分の二つあるのは何故か?
コーシー・シュワルツの不等式は何故か二つあります。

(x^2+y^2)(a^2+b^2)≧(ax+by)^2

(x^2+y^2+z^2)(a^2+b^2+c^2)≧(ax+by+cz)^2

のように数式の不等式と

∫(s,t){f(x)}^2dx∫(s,t){g(x)}^2dx≧{∫(s,t)f(x)g(x)dx}^2

の積分の不等式と二つありました。


確かに似てるような全然ちがうような似てるような、あ、やっぱり違うわって感じです。

(x^2+y^2)(a^2+b^2)≧(ax+by)^2

(x^2+y^2+z^2)(a^2+b^2+c^2)≧(ax+by+cz)^2

の方は
x→=(x,y,z)
a→(a,b,c)
とすると
|x→|^2|a→|^2≧(x→・a→)^2
のベクトルの長さと内積の基本的な関係式のことです。


∫(s,t){f(x)}^2dx∫(s,t){g(x)}^2dx≧{∫(s,t)f(x)g(x)dx}^2

の方は、どうなのかって言うとベクトルはもっと色々と定義できてf(x)とg(x)を(s,t)で連続な関数としておいて以下u,vをベクトルとして

v=f(x)
u=g(x)

で内積を

(u,v)=∫(s,t)f(x)g(x)dx

と定義すると
|v|^2=∫(s,t){f(x)}^2dx
|u|^2=∫(s,t){g(x)}^2dx

|v|^2|u|^2≧(u,v)^2

∫(s,t){f(x)}^2dx∫(s,t){g(x)}^2dx≧{∫(s,t)f(x)g(x)dx}^2

と同じようにベクトルの内積と長さの基本的な関係式で積分のコーシー・シュワルツの不等式がでました。


もちろん、好き勝手にベクトルやら内積を定めたらあかんかってベクトルは

こういうもんなんやって何となく見て欲しいですが

『ある集合Vが実数上のベクトル空間であるとは、
任意のa,b∈Vに対し和a+b∈Vが定義され
任意の実数αに対し積αa∈Vが定義されていて、(線型性の公理)
a,b,c∈V、α,βを実数として次の条件を満たす時である。
1,(a+b)+c=a+(b+c)(加法の結合法則)
2,a+b=b+a(加法の交換法則)
3,a+0=aとなる0∈Vが存在(零元の存在)
4,任意のa∈Vに対して、a+(-a)=0となる-a∈Vが存在(逆元の存在)
5,α(a+b)=αa+αb、(α+β)a=αa+βa(分配則)
6,(αβ)a=α(βa)(スカラー乗法の結合法則)
7,1a=a(単位元の存在)』


を満たす必要があって、(s,t)で連続な関数の集合はこれを満たしています。

それで内積はこれも何となく見て欲しいんですが

『ベクトル空間Vでa,b∈Vに対して、実数(a,b)が定義されいて次の条件を満たす時Vの内積と言う。
a,b,c∈V、α,βを実数として
1,(a,a)≧0で等号成立はa=0(正値性)
2,((αa+βb),c)=α(a,c)+β(b,c)(準双線形性)
3,(a,b)=(b,a)(対称性)』

を満たさなければならなくて(u,v)=∫(s,t)f(x)g(x)dxの定義はこれらを満たします。
|v|は
|v|^2=(v,v)
で定義します。


それでこのベクトルと内積の定義の条件だけからコーシー・シュワルツの不等式がなりたちます。

u≠0の時、任意のu,v∈Vとして実数tを変数として
|tu-v|^2≧0
だから
t^2|u|^2-2t(u,v)+|v|^2≧0
これが全ての実数tで成り立たなければならないので、判別式DとするとD≦0だから
D/4=(u,v)^2-|u|^2|v|^2≦0
|(u,v)|^2≦|u|^2|v|^2
∴|(u,v)|≦|u||v|

u=0のときは明らかに|(u,v)|≦|u||v|が成立
等号成立は|tu-v|^2=0つまりtu=vとなるtが存在する時。
説明は高校レベル逸脱しまくりですが同じものだと言うことがなんとなくわかってもらえたでしょうか?
はい、いいですね。

最後の証明の考え方は大学入試でもたまに使うもので
(a1^2+a2^2+a3^2+…+an^2)・(b1^2+b2^2+b3^2+…+bn^2)
≧(a1b1+a2b2+a3b3+…+anbn)^2
を証明しろって問題があれば

a→=(a1,a2,a3,…,an)とb→=(b1,b2,b3,…,bn)をn次元のベクトルとして考えた時
|a→|^2|b→|^2≧(a→・b→)^2
ってネタですが、

ak=0(k=1~n)でないとき、tを実数として
(akt-bk)^2≧0

ak^2t^2-2akbkt+bk^2≧0

よりこれをk=1~nまでたして
∑(k=1~n)(ak^2t^2-2akbkt+bk^2)≧0

(∑(k=1~n)ak^2)t^2-(2∑(k=1~n)akbk)t+(∑(k=1~n)bk^2)≧0

これはすべての実数tに対して成り立つから2次方程式
(∑(k=1~n)ak^2)t^2-(2∑(k=1~n)akbk)t+(∑(k=1~n)bk^2)=0
の判別式Dとすると
D≦0

(2∑(k=1~n)akbk)^2-(∑(k=1~n)ak^2)∑(k=1~n)bk^2)≦0

(a1^2+a2^2+a3^2+…+an^2)(b1^2+b2^2+b3^2+…+bn^2)
≧(a1b1+a2b2+a3b3+…+anbn)^2

ak=0(k=1~n)の時は明らか。
等号成立は(akt-bk)^2=0(k=1~n)つまりtak=bk(k=1~n)となるtが存在する時。
って言うように使えます。

ちなみに ∫(s,t){f(x)}^2dx∫(s,t){g(x)}^2dx≧{∫(s,t)f(x)g(x)dx}^2
の方は
s<x<tでf(x)≠0なとき
∫(s,t){f(x)t+g(x)}^2dx≧0

(∫(s,t){f(x)}^2dx)t^2+2(∫(s,t)f(x)g(x)dx)t+(∫(s,t){g(x)}^2dx)≧0
で判別式を使って
(∫(s,t)f(x)g(x)dx)^2-(∫(s,t){f(x)}^2dx)(∫(s,t){g(x)}^2dx)≦0

∫(s,t){f(x)}^2dx∫(s,t){g(x)}^2dx≧{∫(s,t)f(x)g(x)dx}^2

s<x<tでf(x)=0なときは明らかに成立
等号成立は∫(s,t){f(x)t+g(x)}^2dx=0つまりtf(x)=g(x)(s<x<t)となるtが存在する時。

高校数学の公式や問題の解説




テーマ:算数・数学の学習 - ジャンル:学校・教育

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