曲線の長さを求めるには、パイプオルガンの響きやな。
そしたら京都大学理系甲第6問の極方程式で表される曲線の長さの問題を解説します。
[問題]

極方程式r=1+cosθ(0≦θ≦π)で表される曲線の長さを求めよ。
[解答と解説]

これはちゃんと数学3Cの問題を練習して公式とか覚えてるかどうかだけの問題ですが極方程式とこれば直交座標のxy平面で
x=rcosθ
y=rsinθ
と表されます。
それで曲線の長さはあるパラメーターtに対してt=aの点からbの点までの曲線の長さは
∫(a,b)√((dx/dt)^2+(dy/dt)^2)dt
で求めます。
√((dx/dt)^2+(dy/dt)^2)は、ベクトル(x,y)の微分(dx/dt,dy/dt)の長さのことです。
パラメーターは何でもよいのでtをxとして
∫(x_1,x_2)√(1+(dy/dx)^2)dx
もよく使いますが、今回は極方程式だからパラメーターはθでいけます、
だからまずはx,yは
x=rcosθ
=(1+cosθ)cosθ
=cosθ+(cosθ)^2
y=rsinθ
=(1+cosθ)sinθ
=sinθ+cosθsinθ
でθで微分して
dx/dθ=-sinθ+2cosθ(-sinθ)
=-sinθ(2cosθ+1)
dy/dθ=cosθ+(cosθ)^2-(sinθ)^2
=cosθ+2(cosθ)^2-1
=(2cosθ-1)(cosθ+1)
で一応グラフはかけます。
別に書く必要はありませんが、普段から書く癖はあった方がええとは思います。

それで(dx/dθ)^2+(dy/dθ)^2を計算して
(dx/dθ)^2+(dy/dθ)^2
={-sinθ(2cosθ+1)}^2+{(2cosθ-1)(cosθ+1)}^2
=(1-(cosθ)^2)(2cosθ+1)^2+(2cosθ-1)^2(cosθ+1)^2
=(1+cosθ)(1-cosθ)(2cosθ+1)^2+(2cosθ-1)^2(cosθ+1)^2
=(1+cosθ)((1-cosθ)(2cosθ+1)^2+(2cosθ-1)^2(cosθ+1))
=(1+cosθ)((2cosθ+1)^2+(2cosθ-1)^2+cosθ((2cosθ-1)^2-(2cosθ+1)^2))
=(1+cosθ)(8(cosθ)^2+2-8(cosθ)^2)
=2(1+cosθ)

だから
√((dx/dθ)^2+(dy/dθ)^2)
=√(2(1+cosθ))
=2|cos(θ/2)|
ってよくある形になります。
0≦θ≦πではcos(θ/2)≧0だから|cos(θ/2)|=cos(θ/2)です。
cosθに統一して計算する機械的な方針でやりましたが
dx/dθ=-sinθ-sin2θ
dy/dθ=cosθ+cos2θ
でやったら、もっとスマートやと思います。
求める曲線の長さは
∫(0,π)2|cos(θ/2)|dθ
=∫(0,π)2cos(θ/2)dθ
=[4sin(θ/2)](0,π)
=4
って求まりました。
やっぱ理系なら数学3Cが間に合わなかったって言うのは何か胸が締め付けられるので、しっかり練習したってください。
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