受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

3項間漸化式の問題、神戸大学2009年度理系第5問の解説
腹は減っては数学は手もみ洗いする。


神戸大学2009年度理系第5問の解説

[問題]
090409_m1.jpg
tを実数として、数列a_1,a_2,…を
a_1=1,a_2=2t,
a_(n+1)=2ta_n-a_(n-1)(n≧2)
で定める。このとき、以下の問に答えよ、

(1)t≧1ならば、0<a_1<a_2<a_3<…
となることを示せ。

(2)t≦-1ならば、0<|a_1|<|a_2|<|a_3|<…
となることを示せ。

(3)-1<t<1ならば、t=cosθとなるθを用いて
a_n=sin(nθ)/sinθ (n≧1)
となることを示せ。



[解答と解説]
(1)
090409_m2.jpg

二項間漸化式やから、a_nを求めようとするとたぶん動物園の猿のコーナーに放りこまれます。
問題も0<a_1<a_2<a_3<…を示せってことやから、a_nを求めろとは言うてへんわけやな。

と言うことは、だいたいこれは漸化式の使いかたは数学的帰納法で使うって肌で感じるわけや。

ただ数学的帰納法で証明するにはやってみればわかるけど
a_n<a_(n+1)
を示そうとすると、余り上手くいかなくてa_nが正であることを使うから
0<a_n<a_(n+1)
を示そうとすると上手くいきます。

だから

すべての自然数nに対して
0<a_n<a_(n+1)…(*)
となることを数学的帰納法で証明する、

まずはn=1の時を示さなあかんから

(i)n=1の時
0<1=a_1≦t<2t=a_2
だからa_1<a_2で(*)はn=1の時、成立します。

次にn=kの時、成立を仮定すると

(ii)n=kの時(*)が成立することを仮定すると
0<a_k<a_(k+1)
が成立して、また
a_(k+2)-a_(k+1)=2ta_(k+1)-a_k-a_(k+1)
=(2t-1)a_(k+1)-a_k
>(2・1-1)a_(k+1)-a_k
=a_(k+1)-a_k>0

だからa_(k+2)>a_(k+1)でn=k+1の時も成立が示せました。

ここの証明でa_(k+1)は正なことを使ってるわけやな。

(i)(ii)よりすえての自然数nに対して
0<a_n<a_(n+1)が成立するから
0<a_1<a_2<a_3<…


(2)
090409_m3.jpg
(2)も(1)と同じように数学的帰納法を使って示せますが、(1)は(2)のヒントにだいたいなってるからb_n=(-1)^(n-1)a_n、t'=-tと置いたら(1)の結果がそのまま使えます。

b_1=a_1=1でb_2=-a_2=2(-t)=2t'

b_(n+1)=(-1)^n・a_(n+1)
=2(-1)^n・a_n-(-1)^n・a_(n-1)
=2t'b_n-b_(n-1)

でt'≧1だから、(1)の条件と同じになるから
0<b_1<b_2<b_3<…
が成立して
b_n=|b_n|=|a_n|だから
0<|a_1|<|a_2|<|a_3|<…

って示せます。


それでも数学手帰納法でやりたいです、うへ~ってわけわからんことなってる人は

|x+y|≧|x|-|y|を使って

|a_k|<|a_(k+1)|を仮定し
|a_(k+2)|-|a_(k+1)|=|2ta_(k+1)-a_k|-|a_(k+1)|
≧2|t||a_(k+1)|-|a_k|-|a_(k+1)|
=(2|t|-1)|a_(k+1)|-|a_k|
≧(2・1-1)|a_(k+1)|-|a_k|
=|a_(k+1)|-|a_k|>0

だから
|a_(k+2)|>|a_(k+1)|
と証明できます。

これはこれで絶対値の式の扱いかたの経験値もたまるし、まあ大切なことやな。


(3)
090409_m4.jpg

すべての自然数nにたいして
a_n=sin(nθ)/sinθ…(**)
を証明しろってことですが、これは解がすでにわかっていてそれを証明しろて問題なので数学的帰納法でやれってことが丸出しです。

でも注意して欲しいのは、
n=1の時を成立を示して、n=kの時を仮定してn=k+1の成立を示すのではなく

三項間漸化式なわけやからa_1だけでなくa_2も決まらないとa_3は求まらないから
n=1,n=2の時の成立を示して、n=k-1,kの時を仮定してn=k+1を示します。

それにこうしないと解けません。

こういう類の数学的帰納法を覚えたってください。
他にもn≦kまで仮定してn=k+1を示すとかもあるって言うのも、また頭に入れておいたってください。

(i)n=1,2のとき
sinθ/sinθ=1=a_1,
sin2θ/sinθ=2sinθcosθ/sinθ=2cosθ=2t=a_2

より(**)はn=1,2のときも成立します。

(ii)n=k-1,kのとき(**)成立を仮定すると
a_(k-1)=sin(k-1)θ/sinθ
a_k=sin(kθ)/sinθ


a_(k+1)=2ta_k-a_(k-1)
=(2cosθsin(kθ)-sin(k-1)θ)/sinθ
=(2cosθsin(kθ)-sin(kθ)cosθ+cos(kθ)sinθ)/sinθ
=(cosθsin(kθ)+cos(kθ)sinθ)/sinθ
=sin(k+1)θ/sinθ

だから(**)はn=k+1のときも成立


(i)(ii)よりすべての自然数nにたいして
a_n=sin(nθ)/sinθ


それでこれは普通に解けって言われたらどうするか言うと、そのまま特性方程式を使って三項間漸化式の解法を使えばオッケーで

x^2-2tx+1=0
を考えると
x=t±√(t^2-1)
で|t|≧1の時は特性方程式の解が実数です。

これは(1)や(2)の場合ですやろ。

それで|t|<1の時は(3)の場合やけど特性方程式の解は虚数です。

でも虚数でも普通に解けるねん、


やってみると
x^2-2tx+1=0
の解は
t=t±i√(t^2-1)

a_n=A(t+i√(1-t^2))^n+B(t-i√(1-t^2)^n

とおけてa_1=1とa_2=2tから

1=A(t+i√(1-t^2))+B(t-i√(1-t^2)

2t=A(t+i√(1-t^2))^2+B(t-i√(1-t^2)^2

を解いて

A=-B=1/(2i√(1-t^2))

でa_n=((t+i√(1-t^2))^n-(t-i√(1-t^2)))/(2i√(1-t^2))

と求められて、0<θ<πでt=cosθ,√(1-t^2)=sinθと置けて

a_n=((cosθ+isinθ)^n-(cosθ-isinθ)^n)/(2isinθ)
=(cos(nθ)+isin(nθ)-cos(nθ)+isin(nθ))/(2isinθ)
=sin(nθ)/sinθ
とか求められます。

でも(cosθ+isinθ)^n=cos(nθ)+isin(nθ)とかは昔は複素平面で高校生でも習ったけど、今は習わんからなあ。

cosθ+isinθをかけるってことは実はθ回転させる行列

cosθ -sinθ
sinθ cosθ

と同じことなわけです。

行列と複素数は
E'=
0 -1
1 0
とおくと
a+bi

aE+bE'
は代数的に同じやねん。


複素平面を行列で説明しようとしたけど、ちょっと範囲を逸脱しすぎて調子乗りすぎたな。

ぶへらっ

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