受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

確率の問題、一橋大学2009年度の第5問の解説
そろそろ春になってきて、もう10月は過ぎたんだなって感じるな。

一橋大学2009年度の第5問の解説です。


[問題]
X,Y,Zと書かれたカードがそれぞれ1枚ずつある。この中から1枚のカードが選ばれたとき、xy平面上の点Pを次の規則にしたがって移動する。

・Xのカードが選ばれたとき、Pをx軸の正の方向に1だけ移動する。
・Yのカードが選ばれたとき、Pをy軸の正の方向に1だけ移動する。
・Zのカードが選ばれたとき、Pは移動せずにそのままの位置にとどまる。
(1)nを正の整数とする。最初、点Pを原点の位置におく。XのカードとYのカードの2枚から無作為に1枚を選び、Pを、上の規則にしたがって移動するという試行をn回繰り返す。
(i)n回の試行の後にPが到達可能な点の個数を求めよ。
(ii)Pが到達する確率が最大の点をすべて求めよ。

(2)nを正の3の倍数とする。最初、点Pを原点の位置におく。Xのカード、Yのカード、Zのカードの3枚のカードから無作為に1枚を選び、Pを、上の規則にしたがって移動するという試行をn回繰り返す。
(i)n回の試行の後にPが到達可能な点の個数を求めよ。
(ii)Pが到達する確率が最大の点をすべて求めよ。


[解答と解説]
(1)(i)
090421_m0.jpg

x座標とy座標を足すとnになるような0以上の整数になる点の場所だから

(n,0),(n-1,1),…,(0,n)のn+1個です。

n個って書いてもた時には、友達と殴りあいしてください。

(ii)
p,qを0以上の整数(p+q=n)として結局は
(p,q)に到達する場合の数が最大のものを求めろってことです。
確率はその場合の数を2^nで割るだけやからな。

(p,q)に到達する場合の数はn回からp回Xを選んでn_C_pです。

だからn_C_pが最大になるpを求めろってことやな。

そらもう二項定理考えたら
nが偶数ならp=n/2、
nが奇数ならp=(n+1)/2,(n-1)/2や!
これやがな!
って言うのは誰にもわかるけど、それを証明しろ言われてぶほー!って血吐いて倒れる感じです。

pの数列みたいなのと考えて
n_C_(p+1)-n_C_pを考えたらええねんけど、これやったらちょっとn!/p!(n-p)!…とか式が大変になるから、
n_C_p/n_C_(p+1)
を計算するテクニックを使います。

でもn_C_(p+1)-n_C_pでも大丈夫やけど、こういうたくさん割り算できそうなのはn_C_p/n_C_(p+1)を考えると書くのが楽って言うのを身につけといったってください。

n_C_p/n_C_(p+1)=n!/p!(n-p)!・(p+1)!(n-p-1)!/n!
=(p+1)/(n-p)

それでこれが1なのか、1より大きいのか、1より小さいのか考えます。
ただ
(p+1)/(n-p)=1としてみると
p=(n-1)/2やからnが奇数か偶数かで場合分けが必要になります。

090420_m1.jpg

(a)n:偶数の時
(p+1)/(n-p)>1
とすると
p>(n-1)/2
nは偶数だからpはn/2以上になります。

p≧n/2の時
n_C_p/n_C_(p+1)>1

n_C_p>n_C_(p+1)

だから
n_C_n/2>n_C_(n/2+1)>…>n_C_n

(p+1)/(n-p)<1
とすると
p<(n-1)/2
nは偶数だからpはn/2-1以下になります。

p≦n/2-1の時
n_C_p/n_C_(p+1)<1

n_C_p<n_C_(p+1)

だから
n_C_n/2>n_C_(n/2-1)>…>n_C_0

よって
n_C_0<n_C_1<…<n_C_n/2>…>n_C_n

でp=n/2で最大だから座標はq=n-n/2=n/2より
(n/2,n/2)


090420_m2.jpg

(b)n:奇数の時
奇数やから
(p+1)/(n-p)=1となる場合があって
p=(n-1)/2の時
n_C_(n-1)/2=n_C_(n+1)/2

(p+1)/(n-p)>1
とすると
p>(n-1)/2
nは奇数だからpは(n+1)/2以上になります。

p≧(n+1)/2の時
n_C_p/n_C_(p+1)>1

n_C_p>n_C_(p+1)

だから
n_C_(n+1)/2>n_C_((n+1)/2+1)>…>n_C_n

(p+1)/(n-p)<1
とすると
p<(n-1)/2
nは奇数だからpは(n-1)/2-1以下になります。

p≦(n-1)/2-1の時
n_C_p/n_C_(p+1)<1

n_C_p<n_C_(p+1)

だから
n_C_(n-1)/2>n_C_((n-1)/2-1)>…>n_C_0

よって
n_C_0<n_C_1<…<n_C_(n-1)/2=n_C_(n+1)/2>…>n_C_n

で最大になるにはp=(n-1)/2,(n+1)/2だから座標(p,q)はp+q=nから
((n+1)/2,(n-1)/2),((n-1)/2,(n+1)/2)

(a)(b)からまとめると
n:偶数の時(n/2,n/2)
n:奇数の時((n+1)/2,(n-1)/2),((n-1)/2,(n+1)/2)

(2)
(i)
090420_m3.jpg

グラフ書けばわかりやすいかもしれませんが、pを0≦p≦nの整数としてx=p上には
y=0,1,2,…,n-pのn-p+1個あるから
Σ(p=0~n)(n-p+1)=Σ(k=1~n*1)k
=(n+1)(n+2)/2個

ここまではいいですね。

(ii)
この問題はXをp回、Yをq回,Zをr回とすると(p,q)に到達するのは
n!/p!q!r!(n=p+q+r)
通りで確率は3^nで割るだけだから

n!/p!q!r!(n=p+q+r)

が最大になるp,q,rを求めろって言うことでたぶん、試験会場をごろごろ転がりだしてもう手がつけられへんことなった人も多いと思います。


これは大変やな。

これが最大になるのは、そらnが3の倍数やから(p,q,r)=(n/3,n/3,n/3)
ってことはわかるねんけどな。

それを証明しろと言われるとは思わんかった。


n!/p!q!r!(n=p+q+r)

この形から証明するとちょっとわかりにくいと思います。
だからこの式の原点に戻って

n_C_p・(n-p)_C_q

と書きかえると、(1)の結果が使いやすいと思います。

使いやすいってことだけやけどな。

まあpとqの2変数やからpをまず固定して最大値を求めて,pを動かします。

だから(n-p)_C_qの部分の最大値M(p)を考えたらええから、これは(1)から

M(p)=
n_C_p・(n-p)_C_((n-p)/2)(n-p:偶数の時)
n_C_p・(n-p)_C_((n-p+1)/2)(n-p:奇数の時)

とわかります。

これでM(p)の最大値を求めたらええわけやねん。

090420_m4.jpg

(a)n-p:偶数の時
M(p)はn-pが偶数の時の式やけど、M(p+1)はn-(p+1)が奇数だから奇数の時の式になることに注意したってくれ。

M(p)/M(p+1)
=n!/(p!((n-p)/2)!((n-p)/2)!)・((p+1)!((n-p)/2)!((n-p)/2-1)!)/n!
=2(p+1)/(n-p)

2(p+1)/(n-p)>1とすると
p>(n-2)/3でnは3の倍数だからpはn/3以上でこのとき
M(p)>M(p+1)

2(p+1)/(n-p)<1とすると
p<(n-2)/3でnは3の倍数だからpはn/3-1以下でこのとき
M(p)<M(p+1)

だから
M(1)<M(2)<…<M(n/3)>…>M(n)

って
p=n/3,q=n/3の時と
わかりました。
だから座標は(n/3,n/3)

(b)n-p:奇数の時
こっちもM(p)はn-pが奇数の時の式やけど、M(p+1)はn-(p+1)が偶数だから偶数の時の式になることに注意したってくれ。

M(p)/M(p+1)
=n!/(p!((n-p+1)/2)!((n-p-1)/2)!)・((p+1)!((n-p-1)/2)!((n-p-1)/2-1)!)/n!
=2(p+1)/(n-p+1)

2(p+1)/(n-p+1)>1とすると
p>(n-1)/3でnは3の倍数だからpはn/3以上でこのとき
M(p)>M(p+1)

090420_m5.jpg

2(p+1)/(n-p+1)<1とすると
p<(n-1)/3でnは3の倍数だからpはn/3-1以下でこのとき
M(p)<M(p+1)

だから
M(1)<M(2)<…<M(n/3)>…>M(n)

って
p=n/3,q=n/3の時と
わかりました。
だから座標は(n/3,n/3)


以上(a)(b)より求める座標は(n/3,n/3)と言うことがわかったな。

これはしんどい問題や。

文系でこれやからな。

一橋大学の入試の数学の過去問の解説

高校数学の入試問題などの解説




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