受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

東京大学2009年度後期総合科目2の第二問のBの解説
最近ずっと下痢や

なんでやろ。

そんな疑問に答えるのが東京大学2009年度後期総合科目2の第二問のBの解説や。


[問題]
図2-1のように、ひもの一方の端点を水平面に垂直な壁に固定し、もう一方の端点を壁とひものなす角が直角になるように手で持つ。このとき、手で持つ位置と壁の距離がどれくらいになるかを、次のように考察してみよう。
図2-2のように、質量がm[kg]のおもりを、いくつか等間隔にひもでつなぎ、その一方の端を壁に固定して、他方の端を手で支える。ただし、それぞれのひもはまっすぐで、壁に固定されているひもは壁に垂直であるとする。となり合うおもりの間隔はl[m]として、おもりの大きさとひもの太さ、およびひもの重さは無視することにする。壁の側から順番に、ひもをS_1,S_2,…とし、それらのひもの張力の大きさを、それぞれt_1,t_2,…[N]とする、また、ひもS_iが水平方向となす角度をΘ_iとする。ここで、t_1=Tとおく。重力加速度をg[m/s^2]とする。

090607_m1.jpg

図2-3は、ひもS_iとS_(i+1)でつながれているおもりにかかる力がつり合っていることを表す。ここでa_i→,a_(i+1)→は、それぞれS_i,S_(i+1)の張力としておもりにかかる力のベクトル,b→はおもりにかかる重力のベクトルを表す、
090607_m2.jpg

(B-1)ベクトルa_i→,a_(i+1)→、b→の大きさは、それぞれt_i,t_(i+1),mgであることをふまえて、lこれらのベクトルの成分表示をt_i,t_(i+1),Θ_i,Θ_(i+1),m,gを用いて与えよ。


おもりにかかる力のつり合いの条件より、ベクトルa_i→,a_(i+1)→,b→の和は零ベクトルである。

(B-2)tanΘ_iとtanΘ_(i+1)の関係をm,g,Tを用いて表せ。

(B-3)cosΘ_iをm,g,T,iを用いて表せ。

(B-4)x=(e^t-e^(-t))/2とおく置換積分法により、定積分
∫(0,a)1/√(x^2+1)dxの値を求めよ。


おもりの質量の和M[kg]と、ひもの長さの和L[m]を固定する。おもりの個数をn個とすると、
m=M/n,l=L/n
となる。このとき、ひもを手で支える位置と壁の距離をX_n[m]とおく。図-2のように,質量がM[kg]で長さがL[m]のひもの一方の端点を壁に固定して、もう一方の端点を手で持ち、壁とひものなす角が直角になるようにする。このとき、手で持つ位置と壁の距離は、極限値

a=lim(n→∞)X_n
で表されると考えられる。

(B-5)上の極限値αをM,L,T,gを用いて表せ。


[解答と解説]
物理の知識は無くても、出来るには出来ますが物理の問題をたくさん解いてる方がやりなれていたり見慣れている分、やっぱり有利やと思います。

(B-1)
090607_m3.jpg

これは単純な問題で図形的に考えて三角比から
a_i→=(-t_icosΘ_i,-t_isinΘ_i)
a_(i+1)→=(t_(i+1)cosΘ_(i+1),t_(i+1)sinΘ_(i+1))
b→=(0,-mg)

(B-2)
まず

a_i→+a_(i+1)→+b→=0

でこれに(B-1)で求めた値を代入します。
まあ単に水平成分と鉛直方向の成分の力のつりあいの式やけどな。

t_icosΘ_i=t_(i+1)cosΘ_(i+1)…[1]
t_isinΘ_i+mg=t_(i+1)sinΘ_(i+1)…[2]

これで[2]/[1]を考えたらtanの式になりそうだから

tanΘ_i+mg/(t_icosΘ_i)=tanΘ_(i+1)

となってcosΘ_iが出てくるから、うへ~!ってその場でシャツをぬいでその辺の受験生をシャツでバチバチにしにいくことになってまいます。

でも、ちょっと待ってくれ。

そんなことして、解けるんか?ってことを考えてくれ。


とりあえずシャツを着て着席して一回落ち着いてください。

問題文を見るとm,g,Tを用いて表せって書いてるから、Tが出てくるはずです。
Tはt_1のことでした。
i=1の時です。

これで[1]をよくみると、b_i=t_icosΘ_iと言う数列を考えると
b_i=b_(i+1)なわけやから
b_i=b_1です。
と言うことは
t_icosΘ_i=TcosΘ_1
=Tcos0=T
と値が求まりました。

これで
tanΘ_(i+1)=tanΘ_i+mg/T
って求まりました。


(B-3)
090607_m4.jpg
(B-2)からtanΘ_iが求まって、それでcosΘ_iを求めたらよさそうです。
階差数列になってるから
i≧2の時
tanΘ_i=tanΘ_1+Σ(k=1~i-1)mg/T
=mg(i-1)/T

でtanΘ_1=0だからこれはi=1でも成立します。

よって
cosΘ_i=1/√(1+(tanΘ_i)^2)
=1/√(1+{mg(i-1)/T}^2)


(B-4)
090607_m5.jpg

ただ単に計算するだけですね。
問題なのは文系が数学3出来るかどうかなだけです。

dx=(e^t+e^-1(t))/2dt

x^2+1=e^2t+2+e^(-2t)/4
={(e^t+e^(-t))/2}^2
だから
1/√(x^2+1)=2/(e^t+e^(-t))

これで積分は1になるからかなり簡単ですね。

後は、x=aの時、tの値を求めて
a=(e^tーe^(-t))/2とすると、これはe^tを両辺にかけてe^tで整理してe^tの二次方程式するのがコツで

e^2t-2ae^t-1=0

よてt
e^t=a±√(a^2+1)
ここでe^t>0だから
e^t=a+√(a^2+1)
これでlogをとって
t=log(a+√(a^2+1))


後は積分して

∫(0,a)1/√(x^2+1)dx=∫(0,log(a+√(a^2+1)))dt
=log(a+√(a^2+1))

まあでもこれはx=tanΘって置くのが普通やけどな。

dx=1/(cosΘ)^2dΘ
a=tanαとして(-π/2<α<π/2)
1/√(1+(tanΘ)^2)=cosΘ
∫(0,α)1/cosΘdΘ
=∫(0,α)cosΘ/(1+sinΘ)(1-sinΘ)dΘ
=∫(0,α)1/2{1/(1-sinΘ)+1/(1+sinΘ)}(sinΘ)'dΘ
=[1/2(-log(1-sinΘ)+log(1+sinΘ))](0,α)
=log√(1+sinα)/(1-sinα)
これに
sinα=a/√(1+a^2)を代入して
log(a+√(a^2+1))

…結構大変やな。

まあそういうことや。

(B-6)
090607_m6.jpg

ひもS_iの水平方向の長さは
lcosΘ_i=LcosΘ_i/n
で、これをi=1~nまで足したら、X_nです。

X_n=Σ(i=1~n)LcosΘ_i/n
=Σ(i=1~n)(L/n)・1/√(1+{mg(i-1)/T}^2)
=Σ(i=1~n)(L/n)・1/√(1+{Mg(i-1)/nT}^2)


これは明らかに)区分求積を使って(B-4)を使って計算しろと言わんばかりやから

Mg/Tをn等分と考えて

=TL/MgΣ(i=1~n)(Mg/Tn)・1/√(1+{(Mg/T)(i-1)/n}^2)

xを(Mg/T)(i01)/n、dxを(Mg/T)/nと対応させて

lim(n→∞)X_n=TL/Mg∫(0,Mg/T)1/√(1+x^2)dx
=TL/Mg・log(Mg/T+√(1+(Mg/T)^2))

これで求まりました。

東大目指す数学と物理が得意な人はこんな問題は朝飯前でよっしゃ!きたきた言う感じかもしれませんが、やはり文系も一緒にみんな受けさせられることを考えるとキツイかもしれんな。
でも勉強してこの類の演習こなせば出来るようになるので、本当はむしろ前期の数学よりかなり簡単です。


高校数学の入試問題などの解説

東京大学の入試の数学の過去問の解説




テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

▲ページトップへ
この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://kazuschool.blog94.fc2.com/tb.php/305-ea12a965
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
▲ページトップへ
プロフィール

わんこら

Author:わんこら
京都大学理学部で数学と物理を勉強し、数学を専攻しました。
東京で数学と物理の講師やってます

わんこら日記で日記とか勉強の仕方とか書いています

わんこら式数学の勉強法

メール
迷惑メールにされる危険性があるので出来るだけ
kazuyuki_ht○guitar.ocn.ne.jp
(○を@にしてください)に送ってください
勉強とかでどんな悩み持ってるかなど色々と教えてくれると嬉しいです。
わんこら式のやり方についてのメールはわんこら式診断プログラムを参考にしてください

詳しいプロフィール

人気blogランキングへ



にほんブログ村 受験ブログへ



学生広場

相互リンクも募集してます。

何かあれば
kazuschool_ht★yahoo.co.jp
かメールフォームからメールください。
(★を@にしてください)

カテゴリー

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター

リンク

このブログをリンクに追加する

お勧めの参考書、ノート

数学でお勧めのノートは
KOKUYOの無地
理由




センター試験は過去問が大切


チャートが終わったらお勧め
大学への数学1対1シリーズ
数学1


数学A


数学2


数学B


数学3


数学C

月別アーカイブ

ブログ内検索

RSSフィード

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

  1. 無料アクセス解析