受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

逆関数が存在する条件と積分の問題、東京大学2006年度理系前期第六問の解説
腸が全部抜けそうな日々やな。

東京大学2006年度前期理系第6問の解説

[問題]
090803_m1.jpg

x>0を定義域とする関数
f(x)~12(e^(3x)-3e^x)/(e^(2x)-1)
について、以下の問いに答えよ。

(1)関数y=f(x)(x>0)は実数全体を定義域とする逆関数を持つことを示せ。すなわち、任意の実数aに対してf(x)=aとなるx>0がただ1つ存在することを示せ。

(2)前問(1)で定められた逆関数をy=g(x)(-∞<x<∞)とする。このとき、定積分∫(8,27)g(x)dxを求めよ。



[解答と解説]
(1)
090803_m2.jpg

ちょっと逆関数についてはっきりさせとこか。
問題文に
すなわち、任意の実数aに対してf(x)=aとなるx>0がただ1つ存在することを示せ。
って書いてるけどな。

ちょっと難しい言い方で言えば
X={x>0|x∈R}
Y=R
(Rは実数全体の集合のこと)

f:X→Y
が全単射であることを言えれば、逆関数
f^(-1):Y→X
が存在するねん。

どういうことかと言うと全単射って言うのは全射かつ単射ってことで、まずfが単射って言葉は1対1の写像のことで式で言うと
a≠b⇒f(a)≠f(b)
(⇔f(a)=f(b)⇒a=b(←対偶))

のことやけど、まあこれは高校ではあんま使わへんからそんなに気にせずに流しておいてくれ。

それでfが全射って言うのはYの上への写像のことで式で言うと
∀y∈Y,∃x∈X,y=f(x)
で言葉で言うとYの任意の元yに対して、y=f(x)となるXの元xが存在する

ってことでまあこれも高校では使わへんから、またおっさんがなんか言うてるなって流しといてくれ。

だからf(x)が正の実数から実数全体への全単射(1対1かつ上への写像)な関数って言えると、全射(上への写像)やから任意の実数yを持ってこれてy=f(x)となる正の実数xが存在していて、単射(1対1の写像)やからそのy=f(x)となるxはただ一つだけになるから、

その任意の実数yから一つ正の実数xから決まると言うy→xの操作をする関数をf^(-1)(y)=xと書いてf^(-1)のことを逆関数と言うわけやねん。


それでこの逆関数は具体的に書くことも出来れば、関数が複雑で書けそうにない場合もある。
この問題がまさに複雑で書けそうにない場合やな。

そこで全単射(1対1かつ上への写像)ってことを示せばy=f(x)で任意の実数yにたいしてある正の実数xが定まるから、逆関数f^(-1)は具体的には書けそうにないけど存在することになるねん。

f(x)=2^xとしてy=2^xも実数から正の実数へ1対1かつ上への写像やから、任意の正の実数yに対してある実数xが一つ決まるから具体的にはかけないけど正の実数を定義域とする逆関数が存在するはずでそれをx=log(y)って書いたのと同じやな。
090803_m3.jpg

だから全単射(1対1かつ上への写像)ってことを言えばええねんけど、まず1対1であることを言うにはこの問題の場合、単調増加であることを言えばええねん。

単調増加って言うのは
a<b⇒f(a)<f(b)
で微分して正であればええわけやな。

これなら確かに、1対1になるに決まってるやろ。

ただ一つ注意して欲しいのが、単調増加って言うのはたまに本によっては

a<b⇒f(a)≦f(b)

って意味で使われてることもあるねん。

これはa<bやのにf(a)=f(b)になる可能性があるから、1対1じゃなくなってしまうねんな。

だから狭義単調増加って言葉があって、狭義単調増加なら
a<b⇒f(a)<f(b)
って意味を指すから確実やねん。

でも微積の模範解答でも≦か<か適当な模範解答も多いし、狭義単調増加も大学で使う用語やからそんなに神経質にならなくてもええかもしれんけどなあ。

ついでに広義単調増加と言うと
a<b⇒f(a)≦f(b)
を意味してたりします。


とりあえず解いていくと

090803_m4.jpg

f'(x)=12(e^(5x)+e^x)/(e^(2x)-1)^2>0

よってf(x)は狭義単調増加なので1対1の関数。


実数全体の上への写像であることは単に値域が全ての実数であることを言ったら楽で

lim(x→+0)f(x)=lim12(e^(3x)-3e^x)/(e^(2x)-1)=-∞
lim(x→*∞)f(x)=lim12(e^x-3/e^x)/(1-1/e^(2x))=+∞

よりf(x)は実数全体の上への写像。

したがってf(x)は実数全体を定義域とする逆関数を持つ。


(2)
090803_m5.jpg

この問題は単に計算するだけですが、結構な計算力が問われてるのは東大らしいとこです。
しかし、やっぱ数学3Cをしっかりやっとけば、こうやって東大でも楽に得点がとれる問題が出てくるからしっかり数学3Cやっといてください。
数学3Cのコストパフォーマンスは非常に高いです。

まず積分区間が8から27で、gは逆関数やったから8=f(a),27=f(b)となる正の実数a,bがただ一つ存在するはずです。
これは求まるから、求めてみましょう。
f(a)=8⇔(e^a-2)(3e^(2a)+4e^a-1)=0
a>0つまりe^a>1よりe^a=2⇔a=log(2)

まあaは一つしか決まらないはずやから、余裕でe^a=2やねんけどな。


同様にして
f(b)=27⇔()(e^b-3)(4e^(2b)+3e^b-3)=0
だからe^b=3⇔b=log(3)

後は∫(8,27)xdy=∫(log(2),log(3))x(dy/dx)dxで普通に計算してもええねんけど、図形的にやれば∫(8,27)g(x)dxはy=f(x)のy=8,y=27とy軸とy=f(x)で囲まれた部分の面積で、

(19×log(3)の長方形)-(y=f(x)とx軸とx=log(2),x=log(3)で囲まれた部分の面積)+(8×(log(3)-log(2))の面積)
=27log(3)-8log(2)-∫(log(2),log(3))f(x)dx

090803_m6.jpg

後は∫(log(2),log(3))f(x)dxを計算して

∫(log(2),log(3))f(x)dx=∫(log(2),log(3))12(e^(2x)-3)e^x/(e^(2x)-1)dx
t=e^xとおくとdt=e^xdx
x|log(2)|…|log(3)|
t|2|…|3|

∫(log(2),log(3))f(x)dx=∫(2,3)12(t^2-3)/(t^2-1)dt
=∫(2,3)12(1-1/(t-1)+1/(t+1))dt
=12[t-log(t-1)+log(t+1)](2,3)
=12+12log(2)-12log(3)
求める面積は
27log(3)-8log(2)-(12+12log(2)-12log(3))
=39log(3)-20log(2)-12

(t^2-3)/(t^2-1)とこれば割り算実行すると、分子は1次以下の式になって部分分数に出来て積分って流れがよくあるパターンやな。

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