受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

連立漸化式の解き方と例題と行列との関係
漸化式シリーズ、今回はあれや。

連立漸化式や。


早速はじめよか。

ふにゅふにゅ。


まず一般的な形じゃなくて、よくあるすぐに解ける形のを紹介するわ。
だいたい受験ではこれが多いねんな。



a_(n+1)=pa_n+qb_n…[1]
b_(n+1)=qa_n+pb_n…[2]

090811_m1.jpg

だいたい連立漸化式言うたらまともに解こうとすると式がぐちゅぐちゅぐちゅ~なって、もうそれ以上式をいじったら変になりそうになるけど、この形はかなり簡単に解けるねん。

二式を足す、引くをするだけや。
[1]+[2]:
a_(n+1)+b_(n+1)=(p+q)(a_n+b_n)
[1]-[2]:
a_(n+1)-b_(n+1)=(p-q)(a_n-b_n)

これで数列{a_n+b_n}は公比p+qの等比数列
数列{a_n-b_n}は公比p-qの等比数列やから

a_n+b_n=(a_1+b_1)(p+q)^(n-1)…[3]
a_n-b_n=(a_1-b_1)(p-q)^(n-1)…[4]

後はa_n,b_nについて解いて
([3]+[4])/2:
a_n=1/2・{(a_1+b_1)(p+q)^(n-1)+(a_1-b_1)(p-q)^(n-1)}
([3]-[4])/2:
a_n=1/2・{(a_1+b_1)(p+q)^(n-1)-(a_1-b_1)(p-q)^(n-1)}


さらに、もう少しだけ応用させて


a_(n+1)=pa_n+qrb_n…[1]
b_(n+1)=q/r・a_n+pb_n…[2]

の時は、これはちょっと気づきにくい場合もあるねんけど
[1]+[2]×r:a_(n+1)+rb_(n+1)=(p+q)(a_n+rb_n)
[1]-[2]×r:a_(n+1)-rb_(n+1)=(p-q)(a_n-rb_n)
と言うように[2]の方にrをかけて、足したり引いたりしたらええねんな。


そしたら、抽象的に文字で語られても目隠しされて拘束された気分になるだけやら例をいっときましょう。

例,
a_(n+1)=3a_n+2b_n…[1]
b_(n+1)=2a_n+3b_n…[2]
a_1=3,b_1=2のt時,{a_n},{b_n}を求めよ。

090811_m2.jpg

解答
足したり、引いたりしたらええから
[1]+[2]:a_(n+1)+b_(n+1)=5(a_n+b_n)
[1]-[2]:a_(n+1)-b_(n+1)=a_n-b_n
{a_n+b_n}は公比5の等比数列で
{a_n-b_n}はどんなnでも同じ値になるからa_1-b_1に等しい、または公比が1と考えてもええねんけど
a_n+b_n=(a_1+b_1)5^(n-1)=5^n…[3]
a_n-b_n=(a_1-b_1)=1…[4]
([3]+[4])/2:a_n=(5^n+1)/2
([3]-[4])/2:a_n=(5^n-1)/2

はい、いいですね。


次にもう一つちょっと応用がいる例いっとこ。


a_(n+1)=3a_n+2b_n…[1]
b_(n+1)=a_n+3b_n…[2]
a_1=3,b_1=1
の時{a_n},{b_n}を求めよ。

090811_m3.jpg

解答
これはちょっとわかりにくいけど、
a_(n+1)=3a_n+√2×√2b_n
b_(n+1)=√2/√2a_n+3b_n
って考えたら
[1]+√2×[2]と[1]-√2×[2]を計算したらいけるねん・

まあちょっと難しいけど
a_(n+1)=pa_n+qrb_n
b_(n+1)=q/r・a_n+pb_n
と見比べるとわかりやすいかもしれん。

斜めは同じ値で、もう一つ斜めがrかけたのと、割ったのとって感じ。

3が同じ値で,2と1は√2に√2をかえたのと、割ったのとやからな。
[1]+√2×[2]:a_(n+1)+√2b_(n+1)=(3+√2)(a_n+√2b_n)
[1]-√2×[2]:a_(n+1)-√2b_(n+1)=(3-√2)(a_n-√2b_n)
{a_n+√2b_n}は公比3+√2の等比数列
{a_n-√2b_n}は公比3-√2の等比数列

a_n+√2b_n=(a_1+√2b_1)(3+√2)^(n-1)
=(3+√2)^n…[3]

a_n-√2b_n=(a_1-√2b_1)(3-√2)^(n-1)
=(3-√2)^n…[4]

だから
([3]+[4])/2:a_n={(1+√2)^n+(3-√2)^n}/2

([3]-[4])/2:a_n={(1+√2)^n-(3-√2)^n}/2


よくこれは出てくるって書いたけど実際この類の連立漸化式は、こういう問題の漸化式にでてきたりするねん。

090811_m9.jpg

例、整数の数列{a_n},{b_n}を
(3+√5)^n=a_n+b_n√5(n=1,2,3,…)
によって定義する。
{a_n},{b_n}を求めよ

090811_m10.jpg

模範解答だけで許してくれ。

と言うように入試問題なら連立漸化式が出てくると、さっきの方法でスムーズに解けるようになってることが多いねんけどやっぱり一般的な問題も出ることもあるやろうし、今度は一般的な場合を紹介します。


a_(n+1)=pa_n+qb_n…[1]
b_(n+1)=ra_n+sb_n…[2]

090811_m4.jpg

どうするかと言うと、{b_n}を消去します。
どうやったらええかと言うと[1]から
qb_n=a_(n+1)-pa_n
ってb_nがa_(n+1)とa_nで表せるからこれを[2]に代入したらよくて
a_(n+2)-pa_(n+1)=qra_n+sa_(n+1)-spa_n

a_(n+1)-(p+s)a_(n+1)+(ps-qr)a_n=0

これで隣接三項間漸化式になって解けるねん。
漸化式、隣接三項間漸化式a_(n+2)=pa_(n+1)+qa_nの解法と例題

まあ計算はぐちゅぐちゅになりそうやけど、連立漸化式は隣接三項間漸化式で解けるから別にたいしたことないねんな。
最初に書いた特別な例もこれで機械的に解けるしな。


それと理系の人に気づいて欲しいのが
a_(n+1)-(p+s)a_(n+1)+(ps-qr)a_n=0
の特性方程式を考えると
x^2-(p+s)x+ps-qr=0

これは数学3Cまでやったら、どこか見覚えないかなあ。
行列
p q
r s
の固有多項式になってるねん。

この解が固有値な。


とりあえずええとこで寸止めになるけど話はここおいておいて、
もう一つ解き方があって

090811_m5.jpg

a_(n+1)+βb_(n+1)=α(a_n+βb_n)の形にしようとして、α,βはどんな値やとこの形になるか考えると
[1],[2]に代入して整理していくと
pa_n+qb_n+βra_n+βsb_n=α(a_n+βbn)

(p+βr-α)a_n+(q+βs-αβ)b_n=0

だから
p+βr-α=0
q+βs-αβ~0
が成り立ってよくて

α=p+βr
rβ^2+(p-s)β-q=0

これからα,βを求めたらええねん。
まあr=0の場合は簡単やから、r≠0の場合を考えてるとしておいてくれ。

それでここでも注意して欲しいのがαの二次方程式にすると
α^2-(p+s)α+ps-qr=0

これも見覚えないかな?

そうさっき行列の固有多項式とか言うてた三項間漸化式で解く方法での特性方程式と同じやねんな。

だからこれも結局実は同じことやってることになるな。


もう少し行列について補足すると、ここはちょっと大学の線形代数レベルになってくるけど

090811_m6.jpg

x_n→=(a_n b_n)(縦ベクトル)
A=
p q
r s
としたら、連立漸化式は
x_(n+1)→=Ax_n→
って表せるけど、これから

x_n→=A^(n-1)x_1→

やから実はA^nを計算する問題と考えられるねん。

A^nを計算するには固有値を使うから固有多項式は
Δ(A-xE)=0

(p-x)(s-x)-rq=0

x^2-(p+s)x+ps-rq=0

ってなります。

これで話はつながってくれたら嬉しいかもしれん。

人間はつながっていたいしな。


そのA^nを計算する方法は
2×2行列Aのn乗の求め方にまとめてるから興味あればみたってくれ。

反対に言うと、連立漸化式解けばA^nを求めたことになるから高校の知識でもA^nが求めらるってことやねんけどな。


そしたら、また抽象的な話が続いて、白目むきかけてるところで例いっとこか。


a_(n+1)=-4a_n-b_n…[1]
b_(n+1)=6a_n+3b_n…[2]
a_1=1,b_1=-5
の時{a_n],{b_n}を求めよ。

090811_m7.jpg

解答
まず{b_n}を消去して
[1]よりb_n=-a_(n+1)-4a_n
[2]に代入して整理すると
-a_(n+2)-4a_(n+1)=6a_n-3a_(n+1)-12a_n

a_(n+2)+a_(n+1)-6a_n=0

ここで特性方程式は
x^2+x-6=0
⇔(x+3)(x-2)=0
x=-3,2

だから

a_(n+1)-2a_(n+1)=-3(a_(n+1)-2a_n)
a_(n+1)+3a_(n+1)=2(a_(n+1)+3a_n)

090811_m8.jpg

a_2を求めておく必要があるから[1]にn=1を代入して
a_2=-4a_1-b_1=1

{a_(n+1)-2a_n}は公比-3の等比数列
{a_(n+1)+3a_n}は公比2の等比数列
a_(n+1)-2a_n=(a_2-2a_1)(-3)^(n-1)
=-(-3)^(n-1)…[3]
a_(n+1)+3a_n=(a_2+3a_1)2^(n-1)
=4・2^(n-1)…[4]
よって
([4]-[3])/5:a_n=4/5・2^(n-1)+1/5・(-3)^(n-1)

[1]からb_n=-a_(n+1)-4a_n
=-24/5・2^(n-1)-1/5・(-3)^(n-1)


また行列で解く方法も試してみください。
大学生にしか役立たんやろうけど。

高校数学の公式や問題の解説




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