受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

漸化式で解けないけど極限値は求まる問題
漸化式も高校で色々な解き方を学ぶけど、だいたい適当に考えると漸化式は普通は解けるもんではないねんな。

それで今回は、a_nをnで表すことは出来ないけど極限はわかることがあるタイプを紹介したいと思います。


まずこの問題を見たってくれ

090817_m1.jpg

漸化式
a_1=4,2a_(n+1)a_n=(a_n)^2+3
(n=1,2,3,…)で定められる数列{a_n}を考える。
lim(n→∞)a_nを求めよ。

これでa_nを求めようとすると…
a_1=4やって、
a_2はa_2=(16+3)/8=19/8で、
a_3はa_2=((19/8)^2+3)/(2・19/8)=…

ってやってると、わけわからんことなってきて、出口が見出せない人生に嫌気をさし

090817_m2.jpg

こんな危険な遊びを覚えることになってしまいます。


これはa_nをnで表せられるようなもんではないねんな。
ほんまに出来ないかどうかは知らんけど。

そこでもしこれが極限が存在することがわかっていたなら、極限はどんな値になるか?って言うと

090817_m5.jpg

lim(n→∞)a_n=α
とすると漸化式2a_(n+1)a_n=(a_n)^2+3の両辺の極限をとると
lim(n→∞)2a_(n+1)a_n=lim(n→∞)((a_n)^2+3)

2α^2=α^2+3

α^2=3

でa_n>0だからα=√3って極限値は定まります。

このやり方は高校でも覚えておいた方がいいと思います。


ただでも極限値はおそらく√3なんやろうけど、極限値が存在すると言う仮定は問題文にないからあくまで予想やねんな。
そこでどうやって示したらいいかと言うと挟みうちの原理で証明します。

090817_m3.jpg

準備として、すべてのnについてa_n≧√3であることを数学的帰納法でします。
(i)n=1の時、a_1=4≧√3で成立
(ii)n=kの時、a_k≧√3と仮定すると
a_(k*1)-√3=((a_k)-√3)^2/(2a_k)≧0

よってa_(k+1)≧√3でn=k+1の時も成立。

(i)(ii)よりすべてのnについてa_n≧√3


これで

0≦a_(n+1)-√3≦{(a_n-√3)/(2a_n)}・(a_n-√3)
≦{a_n/(2a_n)}・(a_n-√3)
=1/2・(a_n-√3)

よって
0≦a_n-√3≦1/2・(a_(n-1)-√3)≦(1/2)^2・(a_(n-2)-√3)
≦…≦(1/2)^(n-1)・(a_1-√3)

090817_m4.jpg

lim(n→∞)(1/2)^(n-1)・(a_1-√3)=0
だから挟みうちの原理より
lim(n→∞)(a_n-√3)=0
つまり
lim(n→∞)a_n=√3

とわかりました。


これはでも普通は誘導があって、これを自分で全部思い浮かべろって問題は高校ではでないと思います。

それで大学で習う定理で高校生が使っていいのかどうかは不明で、たぶん使わない方が妥当だとは思いますが、極限が存在すると言うことを示せる定理があります。

090817_m6.jpg

M,mを定数とする
a_1≦a_2≦…≦a_n≦a_(n+1)≦…≦M
(上に有界で単調増加と言う)
または
a_1≧a_2≧…≧a_n≧a_(n+1)≧…≧m
(下に有界で単調減少と言う)
の時、{a_n}は収束する。


これがなんで成り立つかは直感的には当たり前な感じやけど、ちゃんとした証明は実数の連続の公理とか極限のちゃんとした定義を使うから高校生では何とも言えんねんな。


これを使うとさっきの問題は

090817_m7.jpg

まずすべてのnについてa_n≧√3を示せたから、下に有界であることはオッケーやな。
それで単調減少って言うのを示したいねんけど
a_(n+1)-a_n=(3-(a_n)^2)/(2a_n)≦0
より
a_(n+1)≦a_n
だから単調減少でもあることも言えたから収束するから、lim(n→∞)a_nは存在することになって、この値をαとでもして
lim(n→∞)2a_(n+1)a_n=lim(n→∞)((a_n)^2+3)

2α^2=α^2+3

α^2=3

でa_n≧√3からα=√3


この解き方は大学でたぶん一年の微積でやらされると思います。



こうやって解けないけど極限値は求まる漸化式があるねんけど、それを利用すれば有名な問題やけど

090817_m8.jpg

√(2+√(2+√(2+√(2+√…))))

って無限に続けると、この値はどうなるか?ってこともわかったりします。

これは漸化式を使えば

090817_m9.jpg

a_(n+1)=√(a_n+2),a_1=0
とあらわせて

090817_m10.jpg

実際

a_n=√(2+√(2+√(2+√(2+√…))))

ってa_nは√の中に2がn-1個ある形になります。

だからlim(n→∞)a_nを求めたらええことになるねんな。


それでさっきの定理を使って、収束することを示せたら極限値αは漸化式でa_(n+1)とa_nをαにして
α=√(α+2)

α^2=α+2(α≧0)

(α-2)(α+1)=0(α≧0)
よりα=2

と言うように極限値は2って示せるはずってことなんですわ。

解答にしていくと

090817_m11.jpg

すべてのnについてa_n≦2であることを数学的帰納法により示す。

(i)n=1の時、a_1=0≦2

(ii)n=kの時、a_k≦2と仮定すると
a_(k+1)=√(a_k+2)≦√(2+2)=2
よってn=k+1の時も成立

(i)(ii
よりすべてのnについてa_n≦2でこれで上に有界と言えて

090817_m12.jpg

a_(n+1)-a_n=√(a_n+2)-a_n
=-(a_n-2)(a_n+1)/((a_n+2)+a_n)≧0
(なぜなら0≦a_n≦2より)

よってa_(n+1)≧a_nで{a_n}は単調増加。
よってlim(n→∞)a_nは存在して、その値をαとすると

lim(n→∞)a_(n+1)=lim(n→∞)√(a_n+2)

α=√(α+2)

α^2=α+2(α≧0)

(α-2)(α+1)=0(α≧0)
よりα=2


これは大学でも出るかも。

ただこれでは高校生の解答としてはちょっと使っていいのか微妙やねんな。

でも一応高校数学でも最初の問題の解き方風にやれば出来て

090817_m13.jpg

a_n≦2を示したら

0≦2-a_(n+1)=2-√(a_n+2)
=(2-a_n)/(2+√(a_n+2))≦1/2・(2-a_n)

よって
0≦2-a_n≦(1/2)^(n-1)・(2-a_1)

でlim(n→∞)(1/2)^(n-1)・(2-a_1)=0

だから挟みうちの原理より
lim(n→∞)a_n=2

高校数学の公式や問題の解説

数理物理




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