6月になりましたが、まだまだ6月です。
今回は京大の2007年の理系乙からの問題です。
[問題]
点Oを中心とする円に内接する△ABCの3辺AB,BC,CAをそれぞれ2:3に内分する点をP,Q,Rとする。
△PQRの外心が点Oと一致するとき△ABCはどのような三角形か。
[解答・解説]
まずは絵を描くふにゅ。
なんか知らんけど、とりあえずは手を動かして絵を描いてみる。
絵を描くことで自然と問題が理解出来る、何かをやることで何かが変わります。
問題によっては絵を描いて問題を知ることで自ずと解決につながることもあります。
さて内分するからには、初等幾何ではなくベクトルや座標とかをきっと使うことが予想されます。
まずはいつものようにAB→、AC→を基本ベクトルとしてa→、b→と置いてやってみましょう。
条件を式にしていきます。
点Oが△ABCの外心であるってことは
|OA→|=|OB→|=|OC→|
です。
それでAO→=ka→+lb→
と置いて代入していってk、lを求めて今度はAP→、AQ→、AR→をa→、b→で表して
|OP→|=|OQ→|=|OR→|
…
ってやってたら、血吐いて目玉飛び出して網膜剥離になって倒れることになります。
きっとこうやれば解けるはずですが、先がどうも見えにくい。
このままつっ走れば、この問題だけで時間使いまくって終わってしまうかもしれん。
どこで手を退くかって判断が迫られます。
そういう時はよく思い出してください。
京大の過去問をやってきて、こんなあほみたいな計算をやらされましたか?
いや、だいたい思いつきさえすればもう簡単に解けるものが多かったはずです。
そうこれは過去の経験、データから言えばきっと他に簡単な解き方があるわけです。
例えば女の友達同士でカラオケとか行った時いつも大人しかった、よし子が大きい声で歌い出して
「こんな子じゃなかったのに…」
ってひいてるねんけど、
「上手、上手」
って褒めなあかん時あるやん。
過去の経験から言うて、よし子が大きい声で歌うってことは間違ってるから、そういうとこ治してあげなあかんやろ。
それと一緒やな。
ただ退くと言うことは、他の方法を思いつかなければなりません。
そこでベクトルのもう一つのやり方がありました。
位置ベクトルの考え方です。
位置ベクトルはこういう対称性のあるような問題によく使います。
例えば△ABCの3辺AB,BC,CAの中点をP,Q,Rとする。
△PQRの重心G'が△ABCの重心Gに一致することを示せって問題があります。
これは大文字の点Xの位置ベクトルを小文字でx→とあらわして
p→=(a→+b→)/2
q→=(b→+c→)/2
r→=(c→+a→)/2
で
g'→=(p→+q→+r→)/3=(2a→+2b→+2→c)/6=(a→+b→+c→)/3=g→
という問題をやったことは一度はあると思います。
この外心の問題も対称性があるのでこういう感じで解けないかと考えてみます。
そこで始点をOとした位置ベクトルを考えると
|OA→|=|OB→|=|OC→|
となって簡単に点Oが外心であることもあらわせ対称性も生かせそうです。
するとさっきの計算が嘘のように簡単に解けます。
内積が等しい式までこれば、後はなす角度が等しいと導くか
(cosΘ1=cosΘ2よりΘ1=Θ2又はΘ1=360-Θ2であるが、Θ1=360-ΘはΘ1+Θ2+Θ3=360よりΘ3=0となり三角形にならないなど若干示しにくい)
それはちょっと示しにくいから、正三角形であることは予想出来るので
一番簡単なのが
|AB→|と|BC→|と|CA→|を計算して等しいことを示することです。
高校数学の問題と解説
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