受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

曲線と点、曲線と曲線の距離の最小値
今日はある曲線があって、曲線上に無い点とその曲線との最短距離の求め方と

二つの共有点を持たない曲線があって、その二つの曲線上の点の最短距離の求め方について書きたいと思います。

ここでの曲線は曲線上の全ての点で接線が引けるものを考えます。


こういう問題は複雑な計算になりそうでよく

090914_m8.jpg

こんな食道の中を舞い降りていくウィルス性のなんかみたいなことになってる人をよく見かけます。

しかし次のことを覚えていれば、かなり簡単になることが多いです。

これは難関国立大学でも使うから覚えて解いてください。

まず点と曲線との距離から


○曲線C上に無い点Aがあって曲線C上を点Pが動くとする。

2点A,Pの距離dが最小になるような点Pが存在するとき

CのPにおける接線⊥直線AP
(直線APがCの法線)



図に表してみると

090914_m1.jpg

こんな状態のことやな。
Pがこの状態の時に線分APは最小やねん。


だから円上の点と円上に無い点との距離も

090914_m2.jpg

円上に無い点と中心の点を結んだ直線と円が交わる点との距離が最小になるとこなわけやな。

まあこれは計算しなくても、ほとんど当たり前やけどよく使うから覚えててください。

これで計算が簡単に出来るようになったりします。


それと一つ注意なのが、曲線C上の点Pにおける接線⊥直線APであれば、APの長さが最小は成り立ちません。

090914_m3.jpg

例えば上の図を見てもらったらわかるように、垂直になるとこが二つありますが上の方は最短ではありません。

だから2点A,Pの距離が最小であれば曲線C上の点Pにおける接線⊥直線APです。


2点A,Pの距離が最小⇒曲線C上の点Pにおける接線⊥直線AP

曲線C上の点Pにおける接線⊥直線APは2点A,Pの距離が最小であるための必要条件です。


それではこれを計算で示します。
幾何的にはこっち→円の接線は半径と垂直である証明
意外にも結構簡単な計算で済みます。
まあ関数が具体的な形であらわせないから、その辺は最初はわかりにくいかもしれませんが。

曲線C:y=f(x)、点A(a,b)を考えてAはC上にはなく、f(x)は微分可能とします。
これでC上の任意の点P(p,f(p))とAとの距離d(p)を考えてd'(p)=0となるpが存在するとしたら,pはどんな値かを考察します。

接線がx軸に垂直になる部分がある曲線なら、どうするんやって言う話もありますが、示すべきは曲線Cがその曲線C上の全ての点で接線が引けるとき2点A,Pの距離が最小になるような点Pが存在するとすると、CのPにおける接線⊥APと言うことなのでその最小になるような点Pでf'(x)が存在するように回転させて座標をとればいいから、最小となる時はd'(p)=0となるし、そういうpが存在すると仮定しているから、この問題設定で十分だと思います。

[証明]
090914_m5.jpg
C:y=f(x)(f(x)は微分可能)
A(a,b)をC上にない点とする。
C上の任意の点P(p.f(p))と点Aとの距離をd(p)とすると
d(p)=√((p-a)^2+(f(p)-b)^2)

これをpで微分すると
d'(p)={(p-a)+(f(p)-b)f'(p)}/√(p-a)^2+(f(p)-b)^2

d'(p)=0となるpが存在するとすると

(p-a)+(f(p)-b)f'(p)=0

(p-a,f(p)-b)・(1,f'(p))=0

(p-a,f(p)-b)は直線APの方向ベクトル、(1,f'(p))はCのPにおける接線の方向ベクトルだから
直線AP⊥点Pにおける接線
となります。

まあf'(p)・(f(p)-b)/(p-a)=-1を示してもええねんけど、そうするとp=aになる時の場合わけがちょっとしんどいな。



さて、次にもうちょっと踏み込んで曲線と曲線の最短距離について次のことが成立します。
これもちゃんと覚えていてください。

同じように二つの曲線はどの点においても接線が引けるとします。


○曲線Cと曲線C'があって共有点を持たないとし、曲線C上を点Pが動き、曲線C'上を点Qが動くとする。

2点P,Qの距離dが最小になるような2点P,Qが存在するとき

CのPにおける接線⊥直線PQ
かつ
C'のQにおける接線⊥直線PQ
(C,C'の共通法線がPQ)


図にあらわすと

090914_m4.jpg

こんな感じやな。
P,Qがこういう状態の時に線分PQは最小になるんですわ。


これも覚えていないと、ぶーわー式がわけわからんことなって試験会場で血吐いて白目むいて倒れて輸血されるかもしれんから気をつけてください。


証明は計算でやるとすると、C:y=f(x),C':y=g(x)とか考えてC上の任意の点P(p,f(p)),C'上の任意の点Q(q,f(q))を考えて、2点P,Qの距離をd(p,q)とすると

まずqを固定した時d(p,q)をpで微分して0になるようなpをqであらわす。

そして、そのようなpの時にd(p,q)をqで微分して0になるようなqを考えた、f'(p)とg'(q)はどうなってるか考察します。

090914_m6.jpg
090914_m7.jpg

計算がちょっとややこしいですが、出来ます。
まあ写真を参考にしておいてください。


でもこれはさっきのようにこの証明さえすれば十分だとか説明するのは大変やし、計算もちょっとややこしいですが、最初の


○曲線C上に無い点Aがあって曲線C上を点Pが動くとする。

2点A,Pの距離dが最小になるような点Pが存在するとき

CのPにおける接線⊥直線AP
(直線APがCの法線)

を使えば、後は論証でいけます。



2点P,Qの距離dが最小になるような2点P,Qが存在する

CのPにおける接線⊥直線PQ
かつ
C'のQにおける接線⊥直線PQ


であることを背理法で示す。


2点P,Qがその2点間の距離が最小になるような点のとき、CのPにおける接線が直線PQに垂直でないとすると

C上の点P'の接線が直線P'Qに垂直になるような点P'をとればPQ>P'Qとなり線分PQが最小であることに矛盾する。(PQの最小性に矛盾とか言う)

C'のQにおける接線が直線PQに垂直でないとすると同様にして矛盾する。

よって背理法により題意は正しい。



この最短になる点が存在するって言う仮定はかなり重要で、ここを意識しないとこんな証明でええんか?ってようわからんことになると思います。

例えばC:y=1/x(x>0)とC'y=-1/x(x<0)とすると、確かにどの点においても接線引ける曲線ですが、線分PQの最小値は存在しませんよね。
PとQのy座標の値を同じに固定してy軸の上の方にやればどんどん小さくなりますが、限りなく0に近づくだけですやん。

高校数学の公式や問題の解説




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