受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

=には等しいと言う意味と、≧かつ≦が成り立つ意味がある
数学のイコール=には、二つの意味があって

1、両辺が等しい

2、左辺≧右辺かつ左辺≦右辺

の二つの解釈が出来ると言うことを京大の理学部の数学の授業で教授が言うてましたが、今日はそのことについて書こうと思います。



まずこの問題を考えてみたってくれ。


[問題]
x,yが任意の実数を動くとき、f(x)とg(y)の値域が
f(x)<M,g(y)<N
f(x)+g(y)の値域が
f(x)+g(y)<L
の時、L=M+Nであることを示せ。


[解答と解説]
これは当たり前のようやけど示せ言われると、上半身裸になって濡れタオルで背中のしばきあいしてることになることがよくあるわけや。

f(x)とg(y)の値域が
f(x)≦M,g(y)≦N
f(x)+g(y)の値域が
f(x)+g(y)≦L

やったらL=M+Nは当たり前やねんけどな。
f(x')=M,g(y')=Nとなるx',y'が存在して
f(x)+g(y)≦M+N
で等号成立はx=x',y=y'でf(x)+g(y)の最大値はM+NやからL=M+Nって示せるからな。


でもこの問題では≦じゃなくて<で最大値が無いから困るねんな。


そこで、さっきの

左辺≧右辺かつ左辺≦右辺

つまり

L≧M+NかつL≦M+N

を示したらL=M+Nって示せるねん。


まず
f(x)<M
g(y)<N
を辺々足して
f(x)+g(y)<M+N
って言う不等式が成り立つわけやから、f(x)+g(y)の値域は
f(x)+g(y)<L
やったから
L≦M+N
にならなあかんわけや。

これは当たり前やな。

f(x)+g(y)<M+N
は値域じゃなくて不等式って言うところに注意してな。


それで今度は
M+N≦L
を示したいねんけど、ここはわかりやすく示すには背理法を使って
M+N>L
と仮定しとく矛盾をしめす方法を使おかな。

すると
M+N-L>0
やから
a=M+N-L
とおくとaは正の数で
M-a/2はもちろんf(x)の値域に入るから
f(x)=M-a/2
となるxが存在して
N-a/2もg(y)の値域に入るから
g(y)=N-a/2
となるyが存在して
f(x)+g(y)=M-a/2+N-a/2
=M+N-a=M+N-(M+N-L)=L

でf(x)+g(y)<Lに矛盾。

よって
M+N≦L


したがって
M+N≧L
M+N≦L
からM+N=Lと示せました。


まあこれは大学で習う定理で

空ではない実数の集合A、Bに対して、
sup(A+B)=supA+supB
inf(A+B)=infA+infB

を示すときの証明と同じです。


この≧と≦を示すことで=であることを示すと言うのは、大学でほんまよく出てくる基本的な証明方法やねんけど、大学受験でも使わないことはない大切な概念です。

でも高校でもよく使ってると言えば使ってるねんけどな。
例えば

b_n≦a_n≦c_n

でlim(n→∞)b_n=α,lim(n→∞)c_n=αの時、lim(n→∞)a_n=αであるとか、はさみうちの原理とかな。

α≦lim(n→∞)a_n
lim(n→∞)a_n≦α
が成り立ってるから、

lim(n→∞)a_n=α

でこれも実は=は≧と≦が成り立つと言う概念であると解釈出来るねんな。



そしたら、若干抽象的な問題やったからもう少し具体的な例で言うと



a,b,cを実数とし、x≧0をみたす全てのxに対して、次の2つの不等式
3x(bx+c)≦(x+a)(2x+3)
x+a≦x(bx+c)
が成立している。


これでaの値を求めるにはどうしたらいいか?ってことやねんけど、まあこのx≧0をみたす全てのxに対してが必要条件をだしてみろフラグで

x≧0を満たす全てのxに対して成り立つってことは
x=0
でも成り立つから、二つの不等式にx=0を代入すると
0≦a
a≦0
が出てくるから、a=0って求まるわけや。


まあ興味あればcの値と、bの範囲も求めたってくれ。



もうみんなその辺で血吐いて倒れてるけど、まだまだ続けますよ。

うへ~。


≧と≦が成り立てば=になるって書いたけど、これは集合でもAとBを集合として
A=Bを示すには
A⊆B,
B⊇A
を示したらA=Bって示したことになる証明がよく集合で使われるけど、これも同じ考え方やな。

またこれも大学で物凄く多く出てくる証明方法やけど、大学受験でもたまに使うことがあるから覚えていて欲しくて

例えば
A={(x,y)|x+2yが7の倍数,xとyは整数}
B={(x,y)|5x+3yが7の倍数,xとyは整数}
の時A=Bであることを示せ

って問題があると

Aはx+2yが7の倍数であるような整数の組(x,y)の集合のことで、Bは5x+3yが7の倍数であるような整数の組(x,y)の集合のことやねんけど、

これは


A⊆BとB⊇Aを示したらよくて

A⊆Bを示すには(x,y)∈A⇒(x,y)∈Bを示したらいいって言うのがお決まりのやり方で、

(x,y)∈Aとすると
x+2y=7k(kは整数)と表せて、x=7k-2yで

5x+3y=5(7k-2y)+3y
=35k-7y
=7(5k-y)

で5x+3yは7の倍数だから(x,y)∈B

よってA⊆B


また
B⊆Aを示すには

(x,y)∈Bとすると
5x+3y=7k(kは整数)と表せて、5x=7k-3yで

5(x+2y)=5x+10y
=7k-3y+10y
=7k+7y
=7(k+y)

で5と7は互いに素よりx+2yは7の倍数。

5x+3y=5(7k-2y)+3y
=35k-7y
=7(5k-y)

で5x+3yは7の倍数だから(x,y)∈B

よってA⊇B

したがってA=Bである。


だいぶんわかってきたかな?

さすがやな。


だから今日は

数学のイコール=には、二つの意味があって

1、両辺が等しい

2、左辺≧右辺かつ左辺≦右辺

の二つの解釈が出来ると言うことを覚えたってくれ。


コツは朝起きて、リビングの扉のとこになってみんなが用意してるとこを遠くの方を見て無表情で

「数学のイコール=には、二つの意味があって

1、両辺が等しい

2、左辺≧右辺かつ左辺≦右辺

の二つの解釈が出来る」

って言うことです。

そしたら、

親父「た、たかし…おまえ…」

母「あなた…たかしが…」

ってなってその日から優しく接してくれるようになったり、いい方向に向かうと思います。

左辺≧右辺かつ左辺≦右辺を使った例→二重級数の和の命題の証明

高校数学の公式や問題の解説

数理物理




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