受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

(京大理系乙)すべての実数で定義され何回でも微分できる関数f(x)がf(0)=0、f'(0)=1を満たし、さらに任意の実数a,bに対して1+f(a)f(b)≠0であってf(a+b)={f(a)+f(b)}/{1+f(a)f(b)}を満たしている。
今回は京大の2007年の理系乙です。

これで京大2007年の理系乙は制覇しました。
みんなふにゅのこと頭撫ぜて褒めて。



[問題]
080621_1.jpg

すべての実数で定義され何回でも微分できる関数f(x)がf(0)=0、f'(0)=1を満たし、さらに任意の実数a,bに対して1+f(a)f(b)≠0であって
f(a+b)={f(a)+f(b)}/{1+f(a)f(b)}
を満たしている。
(1)任意の実数aに対して、
-1<f(a)<1であることを証明せよ。
(2)y=f(x)のグラフはx>0で上に凹であることを証明せよ。




[解答・解説]
この問題は、あんまりやったこと無くて難しいかもしれません。
慣れてる人はなんか知らんけど適当にやってたら解けたと思います。

計算がわけわからんことなって、うへ~ってなるタイプの問題ではないのが京大らしいです。

京大はあんまうへ~ってなりません。
うへ~ってなってたら、それはやり方が具合悪いのかもしれません。

まずはf(x)は微分可能なので連続です。
こういうのは解析的な問題としては抽象的で余り使ったことないかもしれませんが、ちゃんと復習しといてください。
連続でf(0)=0までわかっています。
と言うことは、f(x)≠±1を示せば中間値の定理から-1<f(x)<1をしめせます。
この説明は大事なので後から説明します。


とりあえずは今日はちょっと難しいことは忘れて、f(x)≠±1を考えましょう。
080621_2.jpg

f(0)=0が
f(a+b)={f(a)+f(b)}/{1+f(a)f(b)}
に使えそうですが、a=0,b=0とおいても特に何も出ません。

そこで、bに-aを代入してa+(-a)=0を使います。
何かよくこれは使うから、頭の片隅に入れておくと良いと思います。

すると左辺はf(a-a)=f(0)=0
です。
だから
{f(a)+f(-a)}/{1+f(a)f(-a)}=0
で{1+f(a)f(-a)}ははらって
f(a)+f(-a)=0
とわかります。


これは任意の実数aに対してなり立ちます。
奇関数ってやつですね。
べつに奇関数と書く必要はありませんが。

f(0)=0から奇関数と言うことがわかりました。


もう一つの条件がありました。
そうです
1+f(a)f(b)≠0
です。

さすが、みんなよくわかってるな。


これは
f(a)f(b)≠-1
だから、何かf(x)≠±1に使えそうな感じです。

f(x)は奇関数だったのでさっきみたいにb=-aを代入してみると
f(a)f(-a)≠-1
で、奇関数だからf(-a)=-f(a)だから
{f(a)}^2≠1
です。ということは
f(a)≠±1
でこれは任意の実数aに対して成り立つから、つまり
f(x)≠±1
です。

まあaかxか記号の問題ですが、数学は何か記号一つを書き換えるだけで道が開けたりします。
そういうふうに、かなり人間的なとこがあります。


後は中間値の定理を使ってある実数αでf(α)≧1とある実数βでf(β)≦-1となると矛盾するから全ての実数xで-1<f(x)<1であることを示します。
080621_3.jpg


まあここまで詳しく書く必要は余りないかもしれませんが、中間値の定理がちゃんとわかって説明出来ているとかなり好感度はアップすると思います。

実は中間値の定理って当たり前のように見えて大学で抽象的な位相とかで勉強する時に出てきて証明に使うような結構重要な定理です。
と言うことで、中間値の定理を説明しときます。

みんなもお兄ちゃんと一緒にノートとシャーペンを出してやってよう。
080621_4.jpg

連続であるってことは単に線が途切れないことです。

y座標が違う2点P(a,f(a)),Q(b,f(b))を適当に書いて、f(a)とf(b)との間の値kを適当にとって直線y=kを書いています。
この2点P、Qを途切れない線でx軸正方向に進めて結びましょう。

するとどうやって結んでも必ず直線y=kを横断せざるをえないのがわかってきましたか?
kはf(a)とf(b)の間のどんな値にしても横断してまいます。

これが中間値の定理です。


当たり前ですが重要な考え方です。



実際にこのわけわかりにくい問題もこの当たり前の定理を考えると、クリアにわかります。
080621_5.jpg

f(x)は連続で原点を通ってy=±1をとらないってことは、
どう線を書いてもy=-1とy=1を越えることはできません。
反対に言うと、-1以下か1以上に値をとればその点と原点を途切れない線で結ばなければならないから-1か1をf(x)は必ずとってしまって矛盾します。

中間値の定理って言うのはだから結構凄い定理です。

f(0)=0でf(x)は連続でf(x)≠±1なだけで、-1<f(x)<1とわかってしまいます。


普段、中間値の定理なんか無視されて可哀想ですが、この問題で使いかたや凄さが少しわかってもらえたと思います。
たぶん。


(2)は微分をまず求めなければなりませんが、とりあえず直接微分出来ない時は初心に戻って
f'(x)=lim(h→0){f(x+h)-f(x)}/h
で求めましょう。
難問ではこれを使わせることがたまにあると思います。
080621_6.jpg

f(x+h)がちょうどf(a+b)の式で
a=x,b=hと置けて極限が計算できます。


後はx>0で上に凹ってことはx>0でf''(x)<0を示せばいいから、もう一回微分します。
f'(x)がf(x)であらわされるから合成間数の微分ですね。

ここまでこれば色々とやり方はあると思いますが、
f'(x)は正でf(0)=0だからx>0でf(x)>0で

f''(x)=-2'f(x)f(x)
だからx>0で負であるとわかります。



微分の求めかたとしてはもう一つやり方があります。
それは
f(a+b)={f(a)+f(b)}/{1+f(a)f(b)}
をaの関数と考えます。

f(x+b)={f(x)+f(b)}/{1+f(x)f(b)}
と書けばみんなわかりますが、やっぱりこういうとこは思い込みとかが強いんですね。

080621_7.jpg


こういう風に、定数を変数に、変数を定数と考えるって言う変換はよく使うのでこれも意識してみてください。
思わぬ別解を発見するかもしれません。

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京都大学の入試の数学の過去問の解説




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