受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

回転体の体積と多変数関数の値域の問題、東京大学2010年度理系第1問の解説
ポポンSを用意して読んでください。


東京大学2010年度理系第一問の解説。

[問題]
toudai201011.jpg
3辺の長さがaとbとcの直方体を,長さがbの1辺を回転軸として90°回転させると
き,直方体が通過する点全体がつくる立体をVとする。
(1)Vの体積をa,b,cを用いて表せ。
(2)a+b+c=1のとき,Vの体積のとりうる値の範囲を求めよ。


[解答と解説]


解説動画1



解説動画2


解説動画3


(1)
toudai201012.jpg

回転しろか。
まあそういうこともありますわ。

長さがbの1辺を回転軸とするわけやから、長さがaとcの長方形の部分の回転した面積を求めて高さbをかけたら体積がでます。

それで回転のコツは積分の回転体の体積を求めるときに断面を回転するときによく使う方法ですが

「回転軸からの距離が最も短い点と、最も長い点に注目する」

です。


もっとも長い点は外側の円の半径になっていて、もっとも短い点は内側のくり貫かれた円の半径になるわけやな。

それで90°回転の場合は、円にならずに端はそのまま残ります。

この問題では回転軸自体が最も距離が短い点になるから穴は空かないねん。

まあちょっと穴が無くて不満になるかもしれんけど、その気持ちはわかるけど、穴があるような場合は回転体の体積の問題、東京工業大学2009年度第4問の解説とか参照してください。


と言うことで、ふにゅは放っておいて問題の立体を回転させると

toudai201013.jpg

こうやって底面は回転軸からもっとも長い点の距離は、長方形の対角線で
√(a^2+c^2)
です。

だから半径が√(a^2+c^2)で中心角90°の扇形と端の長さaとcの直角三角形が端に出来るねん。

よって面積は

1/2・π/2・√(a^2+c^2)^2+1/2・a・c×2=π(a^2+c^2)/4+ac

だから求める体積Vは

V={π(a^2+c^2)/4+ac}b

これは積分の回転体の体積を求める問題で断面を回転させた図形の面積を求めていたりしてたら簡単に出来るようになると思います。

(2)
a+b+c=1の時かあ。

まずはbを消去して
V={π(a^2+c^2)/4+ac}(1-a-c)
=-πa^3/4+{(1-c)π/4-c}a^2+{(1-c)-πc^2/4}a+πc^2/4



まあaで微分してみるか

dV/da=-3πa^2/4+{(1-c)π/2-2c}a+1-c-πc^2/4



おえ~!?

しかもaの範囲は?

bの範囲もあったしな。

おえ~!?


この問題のパターンは非常に東大でよくあるタイプで、処理の仕方を覚えなあかんねん。
いきあたりばったりでやると、なんか条件抜けたり頭がこんがらがったりして、計算しまくって消しゴムで何回も消したりしてるうちに解答用紙がビリ!破れて

toudai201014.jpg

うへ~

ってあっちの世界に連れていかれるわけや。


それでどういう処理の仕方をすればええかと言うと同値変形ってやつやねん。
このやり方でやれば、ほぼ完ぺきに解けるねん、

東大では必須やと思ってくれ。

同値変形による式や条件の処理の仕方(東大対策)を参照してくれ。


やることはまず条件を全部書き下す。

toudai201015.jpg

a+b+c=1
a>0
b>0
c>0
V={π(a^2+c^2)/4+ac}b

そして、独立変数と従属変数に分けて同値変形で整理する。

どういうことかと言うと、例えばbをaとcで表してbはaとcの関数にするねん。
aとcは独立変数、bを従属変数と考えてるわけやな。
精神的なもんやねんけどな。

やってみると

a+b+c=1
a>0
b>0
c>0
V={π(a^2+c^2)/4+ac}b



b=1-a-c
a>0
1-a-c>0
c>0
V={π(a^2+c^2)/4+ac}(1-a-c)

b=1-a-cとやって、bの条件を全部aとcであらわしていくねん。
さらに整理して

b=1-a-c
a>0
1>a+c
c>0
V={π(a^2+c^2)/4+ac}(1-a-c)

これでbはaとcが決まれば自動的に決まる値で

a>0
1>a+c
c>0
V={π(a^2+c^2)/4+ac}(1-a-c)

さえ考えればいいことになった。


これはもう東大で出まくるから、ぜひ究めて欲しいとこや。


まだaとcの2変数やから大変です。

ac図を書いてグラフで考えるのもVの式が複雑やから無理っぽいしな。

更にVの式からaを消去してもいけるかもしれんけど、aの三次式になるから厳しいねん。


そこでa+c,acとなってるわけやから、

a+c=s,ac=t

と置いて整理したら上手くいくねん。

この置き換えもやたらに東大でよく出るパターンで、同値変形を意識しないと条件を見落としてしまうから注意です。

a>0,c>0⇔a+c>0,ac>0
やったから

1>s>0,t>0とやってしまったら、そらもうあれですわ。

10年後に脱脂粉乳を運んでるおじさんになってますわ。

だって1>s>0,t>0だけやったらa=1/4+i.c=1/4-iでもs=1/2,t=17/16で成り立ってますやん。


そういう見落としをしないためにどう書いていけばええかと言うと

toudai201016.jpg

まず東大目指すくらいなら余裕かもしれんけどa^2+c^2=(a+c)^2-2ac=s^2-2tに注意して

a>0
c>0
a+c<1
V={π(a^2+c^2)/4+ac}(1-a-c)



x^2-sx+t=0は正の解のみをもつ
s<1
V={π(s^2-2t)/4+t}(1-s)

こう書けば間違いがないですやん。
x^2-sx+t=0
の解がa,cなわけやからな。

まあちょっと回りくどいから実際には省略して書けばええねんけど。

これも説明のための書き方やから許してください。


二次関数の解の配置の理論から
g(x)=x^2-sx+t
と置いてx^2-sx+t=0が正の解を持つ必要十分条件は

判別式D≧0
g(0)>0
軸s/2>0

でした。
g(0)=tやからこのg(0)>0と軸>0がa+c>0,ac>0に対応してるねんな。


それで整理すると
s^2-4t≧0,0<s,0<t
s<1
V={π(s^2-2t)/4+t}(1-s)

になってs^2-4t≧0,0<s,0<t,s<1はもっと
0<t≦s^2/4,0<s<1
ってまとめられます。

0<t≦s^2/4,0<s<1
V={π(s^2-2t)/4+t}(1-s)

次はどうするかと言うと、これでVはtの1次式やからt=~の形に出来ますやん。

だから今度はtを従属変数,sとVを独立変数とみなして
V={π(s^2-2t)/4+t}(1-s)

t=πs^2/{4(π/2-1)}-V/{(1-s)(π/2-1)}

ってやって0<t≦s^2/4,0<s<1にも代入してVとsであらわしていきます。

toudai201017.jpg

0<t≦s^2/4,0<s<1
t=πs^2/{4(π/2-1)}-V/{(1-s)(π/2-1)}


0<πs^2/{4(π/2-1)}-V/{(1-s)(π/2-1)}≦s^2/4,0<s<1
t=πs^2/{4(π/2-1)}-V/{(1-s)(π/2-1)}

これでtはVとsによって自動的に決まるから
0<πs^2/{4(π/2-1)}-V/{(1-s)(π/2-1)}≦s^2/4,0<s<1
だけ考えたらええことになった。


後はもっと整理して

0<πs^2/{4(π/2-1)}-V/{(1-s)(π/2-1)}≦s^2/4,0<s<1


(π/2+1)(s^2-s^3)/4≦V<π(s^2-s^3)/4,0<s<1

ここまでこれば簡単やな。

f(s)=s^2-s^3(0<s<1)
の値域を調べたらええねん。


f'(s)=-3s(s-2/3)
増減表を書いたら最大値はf(2/3)でf(0)=0,f(1)=0
だから値域は
0<f(s)≦f(2/3)

だから
(π/2+1)f(s)/4≦V<πf(s)/4


0=(π/2+1)f(0)/4<(π/2+1)f(s)/4
πf(s)/4≦πf(2/3)/4=π/27

やから
0<V<π/27

これが答えです。

それでVがこの範囲であれば、確かにsは存在する。
だからtも存在する。
だからaとcも存在してbも存在する。

だからVはこの範囲を確かにとりえてます。


この問題は東大らしい典型的パターンの問題で、慣れている人は楽勝に解けると思います。
反対に言うと、勉強するのにかなりいい問題で出来ない人は覚えたらいいだけです。

覚えてるから出来るねん。

東京大学の入試の数学の過去問の解説




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