受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

定積分の不等式の問題、東京大学2010年度理系第2問の解説
もうドラクエで数学どころじゃないわ。


東京大学2010年度理系第二問の解説


[問題]
touri201021.jpg

(1)すべての自然数kに対して、次の不等式を示せ。
1/{2(k+1)}<∫(0,1)(1-x)/(k+x)dx<1/(2k)
(2)m>nであるようなすべての自然数mとnに対して、次の不等式を示せ。
(m-n)/{2(m+1)(n+1)}<log(m/n)-Σ(k=n+1~m)1/k<(m-n)/(2mn)


[解答と解説]
(1)

どうやったら示せるんやろな。

まずは普通に積分できるからやってみよか。

touri201022.jpg

(1-x)/(k+x)=-1+(k+1)/(k+x)
って分子の次数を定数に落として積分ですわ。

∫(0,1)(1-x)/(k+x)dx=∫(0,1)(1+(k+1)/(k+x))dx
=[-x+(k+1)log(k+x)](0,1)
=-1+(k+1)log{(k+1)/k}

と言うことは

1/{2(k+1)}<-1+(k+1)log{(k+1)/k}<1/(2k)

を示せばええわけな。



おえ~!?


まあこんな方法で出来る問題出すわけがないからな。

よくあるのは、全ての自然数kに対してやから、数学的帰納法かもしれん。

それともグラフの面積を考えて曲線の凹凸とかで不等式を作るんかもしれん。


まずは帰納法を使ってみると

touri201023.jpg

k=1の時、
∫(0,1)(1-x)/(1+x)dx=-1+2log2
=log4/e

1/4<log4/e<1/2

を証明せなあかんことになるんか。

と言うことは

loge^(1/4)<log4/e<log2^(1/2)

って全部logの中に入れて

e^(1/4)<4/e<e^1/2

を証明したらええことになるな。


{e^(1/2)}^2-(4/e)^2=(e^3-16)/e^2>0

(4/e)^4-(e^(1/4))^4=(256-e^5)/e^4>0

と苦労して計算したら示せました。


次はk=lの時、
1/{2(l+1)}<∫(0,1)(1-x)/(l+x)dx<1/(2l)

を仮定して
1/{2(l+2)}<∫(0,1)(1-x)/(l+1+x)dx<1/{2(l+1)}

を示したらええわけか。



おえ~!?



次はグラフの凹凸とかで面積の大小関係で不等式を作ってみよ。

数学Ⅲではよくあるパターンやな。


(1-x)/(k+x)=-1+(k+1)/(k+x)

やから、x=-kとy=-1が漸近線でy=1/k,x=1でy軸、x軸と交わる分数関数やな。

0<x<1の範囲やから、ちょうど第一象限の部分の面積です。

touri201024.jpg

(0,1/k)と(1,0)を結ぶんで出来る直角三角形の方が面積大きいな。

しかもこれ面積は1/2×1×1/k=1/(2k)

お、これで

∫(1-x)/(k+x)dx<1/(2k)

示せましたやん。


数学Ⅲで定積分の不等式の問題で、よくあるパターンそのままやな。


後は1/(2(k+1))<∫(1-x)/(k+x)dxか。

同じように図形的にやるんやろな。

同じようにやるとしたら、(0,1/(k+1))と(1,0)を結んで出来る直角三角形より∫(1-x)/(k+x)dxの部分が大きいければええはずです。

(0,1/(k+1))と(1,0)を結んで出来る直角三角形の面積は

1/2×1/(k+1)×1=1/(2(k+1))

やしな。

touri201025.jpg

どうも、グラフのx=1における接線のy切片が1/(k+1)になれば良さそうやな。

実際接線を求めてるみると微分は

{(1-x)/(k+x)}'=-(k+1)/(k+x)^2

やからx=1における接線は

y=-(k+1)/(k+1)^2・(x-1)+0
=-x/(k+1)+1/(k+1)

お、大丈夫やな。

これで1/(2(k+1))<∫(1-x)/(k+x)dxは示せたから解けた。

touri201026.jpg

ちゃんと解答を書いておけば2階微分して下に凸って書いておけばよりええかもしれんな。
まあ分数関数なんて下に凸なんわかってるから微妙なとこやけど。

解答は文章じゃなくて絵で説明するって言うのを意識したってくれ。

これは解答を添削する側もだらだら文章で書かれてもしんどいから絵でわかりやすくしてくれると助かるし数学的思考法がよく訓練されてると感じる。
しかも書いてる側も、絵書けば説明簡単やし思いつきやすくなるねん。


(2)

(1)が出来たら、特に問題ないとは思うねんな。
これが出来ないのは数学Ⅲや数列で解法パターンの暗記が足りないと言ったとこやな。
(1)も定積分の不等式の解法パターンが暗記出来てるかどうかやねんけど。

まず絶対に(1)を使うわけや。
もう問題はそうやって作られてるもんやねん。

touri201027.jpg

(1)から定積分の部分を計算したのを入れておいて

1/{2(k+1)}<-1+(k+1)(log(k+1)-logk)<1/(2k)

これと問題の

(m-n)/{2(m+1)(n+1)}<log(m/n)-Σ(k=n+1~m)1/k<(m-n)/(2mn)

が似てるから、近づけいったらええねん。

まずlogの係数を1にするために1/(k+1)で両辺割ったら少し近づくな。

1/{2(k+1)}<-1+(k+1)(log(k+1)-logk)<1/(2k)

1/{2(k+1)^2}<-1/(k+1)+(log(k+1)-logk)<1/(2k(k+1))

touri201028.jpg

後は
(m-n)/{2(m+1)(n+1)}<log(m/n)-Σ(k=n+1~m)1/k<(m-n)/(2mn)
と比べると
1/{2(k+1)^2}<-1/(k+1)+(log(k+1)-logk)<1/(2k(k+1))
の-1/(k+1)をΣ(k=n+1~m)1/kと対応してるやろうから、Σでk=nからm+1まで足せば一致します。

Σ(k=n~m-1)1/{2(k+1)^2}<Σ(k=n~m-1){-1/(k+1)+(log(k+1)-logk)}
<Σ(k=n~m-1)1/(2k(k+1))

真ん中を計算して整理するとlogの部分は階差数列になってるから

Σ(k=n~m-1){-1/(k+1)+(log(k+1)-logk)}
=Σ(k=n~m-1)(-1/(k+1))+Σ(k=n~m-1)(log(k+1)-logk)
=Σ(k=n+1~m)(-1/k)+logm-logn
=log(m/n)-Σ(k=n+1~m)1/k

これで、問題の式は出てきた。

次に右辺は部分分数に分けて階差数列で足す形になってるから

Σ(k=n~m-1)1/(2k(k+1))
=Σ(k=n~m-1)1/2{1/(k-1)-1/k}
=1/2(1/n-1/m)
=(m-n)/(2mn)

これで問題の式になったから

log(m/n)-Σ(k=n+1~m)1/k<(m-n)/(2mn)

は示せた

次は左辺のΣ(k=n~m-1)1/{2(k+1)^2}を計算せなあかんけど、こんなん出来へんやん。

まあΣ(n=1~∞)1/n^2=π^2/6やけど、こんなん求めてるわけちゃうねん。

よく東大やったら、こういうのを覚えてなあかんとか言うやつおるけど全然そんな問題ちゃうからな。


むしろ

Σ(n=1~∞)1/n^2

が収束するって言う証明である値より大きくならないとこの部分が大切やねん。


これはやることはチャートの例題に載ってるようなレベルの話であって、それをちゃんと覚えてるかどうかやねんな。

それでΣ(n=1~∞)1/n^2の場合、ある値より大きくならないのをどうやって証明したかと言うと

Σ(k=1~n)1/k^2=1+Σ(k=2~n)1/k^2
<1+Σ(k=2~n)1/{k(k-1)}
=1+Σ(k=2~n){1/(k-1)-1/k}
=1+1-1/n<2

でΣ(n=1~∞)1/n^2は2以下なことがわかります。

こうやって1/n^2<1/{n(n-1)}って分母を少し小さくして階差数列を使える形にするねん。

だからこの問題では反対に分母を少し大きくして

Σ(k=n~m-1)1/{2(k+1)^2}>Σ(k=n~m-1)1/{2(k+1)(k+2)}
=Σ(k=n~m-1)1/2(1/(k+1)-1/(k+2))
=1/2(1/(n+1)-1/(m+1))
=(m-n)/{2(m+1)(n+1)}

これで問題の式が出てきたな。

だから
(m-n)/{2(m+1)(n+1)}<log(m/n)-Σ(k=n+1~m)1/k

この問題も結構典型的で数学Ⅲで色々な問題の解法をちゃんと覚えていれば特に問題はないやりやすい問題です。

まあ現役なら間に合わんことも多いけど、数学Ⅲは特にパターンがわかりやすくてやればやるほど点数に結びつきやすいから勉強しておいて欲しいとこやな。

東京大学の入試の数学の過去問の解説




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