受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

確率と漸化式の問題、東京大学2010年度文理共通第三問の解説
最近ドラクエやりすぎて人間としての尊厳をなくしたから、久しぶりに解説ですわ。

東京大学2010年度文理共通の第三問の解説です。


[問題]
toudai2010bunri31.jpg
toudai2010bunri32.jpg

2つの箱LとR,ボール30個,コイン投げで表と裏が等確率1/2で出るコイン1枚を用意する。xを0以上30以下の整数とする。Lにx個,Rに30-x個のボールを入れ,次の操作(#)を繰り返す。

(#)箱Lに入ってるボールの個数をzとする。コインを投げ,表が出れば箱Rから箱Lに,裏が出れば箱Lから箱Rに,K(z)個のボールを移す。ただし,0≦z≦15のときK(z)=z,16≦z≦30のときK(z)=30-zとする。

m回の操作の後,箱Lのボールの個数が30である確率をP_m(x)とする。たとえばP_1(15)=P_2(15)=1/2となる。以下の問(1),(2),(3)に答えよ。

(1)m≧2のとき,xに対してうまくyを選び,P_m(x)をP_(m-1)(y)で表せ。
(2)nを自然数とするとき,P_2n(10)を求めよ。
(3)nを自然数とするとき,P_4n(6)を求めよ。

(文系は(2)まで)


[解答と解説]
まず最初に特筆すべきことは問題の意味がようわからんことやな。
しかも(1)のxに対してうまくyを選びって一体何をどうしたらええんかもわかりにくいな。

東大の問題では、

○なんか文章がややこしい

○ようわからん書き方する

ってとこがあるねん。
この問題は何が難しいかと言うと、ここが難しいだけです。


よくこれは国語力や!とか言う人もいるけど、ほんまに現代文の教科書とか読んで勉強してもそんなん解けるようになるわけがないねん。
よう考えたら当たり前やけどな。

それはあまりにやってることが漠然としすぎて目的から遠すぎるわけや。
どんなけ時間かかるねん。


そこでどうしたらええかと言うと、国語力を高めて文章の意味を理解出来るようにするとか出来そうにないことをやるんじゃなくて


過去問で同じような意味わからん書き方をした問題がある

その問題ではこういう意味やって、こう解いたって言うことを覚える


これなら少なくとも出来ることやし、何もやらないよりは理解しやすくなるはずや。


そしたら解説にはいりましょか。

すでに解説してるような気がするけどな。


まず最初にやって欲しいことは、具体的にやってみるってことです。

x=3とかならどうなるか?
0≦x≦15の範囲なわけやから

L3 R27
なわけや。
それで表が出たすると3がRからLに移動して

L6 R24

になるわけや。
x=6の状態になる感じや。


もし裏なら3がLからRに移動して

L0 R30

になります。

Lが0になったと言うことは、K(0)=0やからここで表が出ようが、裏が出ようが0個移動やからこれずっと固定なわけやな。


今度はx=17とすると16≦x≦30なわけやから
L17 R13
で表がでたするとK(17)=13でRからLに13個移動で

L30 R0

これでLが30個になったな。
この確率を求めたいわけや。


裏が出るとすると13個LからRに移動で

L4 R26

まあx=4の状態になるみたいな感じや。


これでだいぶん見通しがたったな。

この実験を繰り返せば、一般性が見えてきて解けるには解ける。
東大の確率の問題は確かにそうやって解くことも多い。

でも、ちょっとややこしいから

1時間17分後…

toudai2010bunri33.jpg

こういう何もかもを無に返す存在になりかねないわけや。

まあ何もかも無くなれば、憎しみも苦しみもなくなるしな。


ええからはよ説明せいや!


それで(1)を見てくれ。

xに対してうまくyを選び,P_m(x)をP_(m-1)(y)で表せ。

これはもう漸化式で解けと言わんばかりやろ。


東大にしてはちょっと珍しいくらいわかりやすいパターン問題や。

まあ結局は全部パターンやけどな。


確率の問題を漸化式で解く問題では、だいたいmとm-1とか隣同士の関係を見ることが多いねん。
まあmとm-1とm-2の場合もあるけどな。

だからまず隣同士の関係をみると
toudai2010bunri34.jpg

0≦z≦15の時

L z R 30-z

表が出ると
L 2z R 30-2z

裏が出ると
L 0 R 30


16≦z≦30の時

L z R 30-z

表が出ると
L 30 R 0

裏が出ると
L 2z-30 R 60-2z


こんな感じやな。

まだちょっと使い方がわかりにくいな。


それで漸化式を使うときのもう一つ覚えていて欲しいことは

前に使うか、後ろに使うか

です。

toudai2010bunri35.jpg

前に挿入するか、後ろに挿入するか。


だいたいやっぱり前が多いとは思うねんけど、もしかしてこいつは後ろ派?って思うと

toudai2010bunri36.jpg

最初で0≦x≦15の時
L x R 30-x



表が1/2の確率で出て
L 2x R 30-2x

でm回目にLが30になると言うことを
2xから始まってm-1回でLが30になると考えたら確率はP_(m-1)(2x)

裏が1/2の確率が出て
L 0 R 30

でこれはもうここで終わり。

と言うことは
P(x)=1/2P_(m-1)(2x)
ですやん。

今度は16≦x≦30の時
L x R 30-x



表が1/2の確率で出て
L 30 R 0

でここですでにLが30が達成で終わり。


裏が1/2の確率が出て
L 2x-30 R 60-2x

でm回目にLが30になると言うことを
2x-30から始まってm-1回でLが30になると考えたら確率はP_(m-1)(2x-30)。

と言うことは

P_m(x)=1/2+1/2P_(m-1)(2x-30)


これで完成ですわ。

漸化式を立てるときにもう一つの重要なポイントは

絵で考えて、絵で説明する

です。
このやり方も暗記しておいて欲しい。


それとxに対してyを上手く選びって言うのは、yはxの関数って言う意味やったみたいやったな。

この問題はここまでが、ほとんど問題の核心部分やねんけど、

○確率を漸化式を立てて解くパターンを覚える

○東大特有のややこしい文章は具体的にやってみて理解する。

○東大特有の意味がわからない表現は過去問ではどうやったのか覚える

って言うことをこの問題の解き方を暗記することで身につけていってください。


後は残りの問題はさすがに東大目指すような人なら、こんな漸化式普通過ぎてもう解説もいらんかもしれんけど、

(2)
toudai2010bunri37.jpg

初項が必要になるやろうけどm=0は最初の状態と定義すると、

P_0(x)=
1(x=30)
0(x≠30)

でこれは

P_m(x)=
1/2P_(m-1)(2x)(0≦x≦15)
1/2+1/2P_(m-1)(2x-30)(16≦x≦30)
を満たしてるから、ちょっと簡単になるな。

まずP_2n(10)は0≦x≦15やから
P_2n(10)=1/2P_(2n-1)(20)
で今度は16≦x≦30の範囲やから
1/2P_(2n-1)(20)
=1/2(1/2+1/2P_(2n-2)(10)
=1/4+1/4P_(2n-2)(10)

これでいつもの漸化式が完成。
わかりにくい人は
P_(2n)(10)=a_nとおいて

a_n=1/4+1/4・a_(n-1)

と考えてくれ。

特性方程式を立てて

x=1/4+1/4・x

解くとx=1/3で
a_n=1/4+1/4・a_(n-1)
x=1/4+1/4・x
を辺々引いて(x=1/3)

a_n-1/3=1/4(a_(n-1)-1/3)
数列{a_n-1/3}は公比1/4の等比数列

a_n-1/3=(a_0-1/3)(1/4)^n

a_n=1/3-1/4・(1/4)^n
(a_0=P_0(10)=0)


(3)
toudai2010bunri38.jpg
同じように
P_4n(6)=1/2P_(4n-1)(12)
=1/2(1/2P_(4n-2)(24))
=1/4(1/2+1/2P_(4n-3)(18))
=1/8+1/8(1/2+1/2P_(4n-4)(6))
=3/16+1/16P_(4n-4)(6)

後はb_n=P_4n(6)と置いたら普通の漸化式で解くと
P_4n(6)1/5-1/5(1/16)^n
になりました。


東京大学の入試の数学の過去問の解説




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