わんこら式数学の勉強法ver3.0に具体的なやり方の項目を追加で書いてもう疲れたとこですわ。
この少しの文章に膨大な時間と協力があって、めっちゃ大変やねんな。
ええからはよ、解説はじめろって感じやな。
東京大学2010年度理系第六問の解説
[問題]

四面体OABCにおいて,4つの面はすべて合同であり,OA=3,OB=√7,AB=2であるとする。また,3点O,A,Bを含む平面をLとする。
(1)点Cから平面Lにおろした垂線の足をHとおく。OH→をOA→とOB→を用いて表せ。
(2)0<t<1をみたす実数tに対して,線分OA,OB各々をt:1-tに内分する点をそれぞれPt,Qtとおく。2点Pt,Qtを通り,平面Lに垂直な平面をMとするとき,平面Mによる四面体OABCの切り口の面積S(t)を求めよ。
(3)tが0<t<1の範囲を動くとき,S(t)の最大値を求めよ。
[解答]
(1)

もし(1)が解けない人がいたら解法暗記がかなり不足しています。
まあ勉強は解法暗記以外に別に何もないねんけど。
ほんまにベクトルでよくある、そのままの問題やな。
まずは図を書く。
もうこれが一番最初にやることで、意識して書かなあかんねん。
そして
OA→=a→
OB→=b→
OC→=c→
と基本ベクトルで置いておけば、解答を書くのが早くなる上に、簡単になるように持っていってるから解ける可能性も高くなります。
次に長さはわかってるから、内積を出していくねんけど
OA→・OB→=(|OA→|^2+|OB→|^2-|AB→|^2)/2
とか公式として暗記してしまった方がええと思います。
a→・b→=(|a→|^2+|b→|^2-|a→-b→|^2)/2
=(9+7-4)/2=6
b→・c→=(|b→|^2+|c→|^2-|b→-c→|^2)/2
=(7+4-9)/2=1
c→・a→=(|c→|^2+|a→|^2-|c→-a→|^2)/2
=(4+9-7)/2=3
ここまで準備で後は、一つ一つ条件を数式化していきます。
点Cから平面Lにおろした垂線の足をHとおく
と言う文章を
○CHと平面Lは垂直である
○点Hは平面L上にある
の2つに分けてまず
○CHと平面Lは垂直である
はCHと平面Lは垂直である⇔CH→⊥a→,CH→⊥b→
と言うように平面L上の一次独立な二つのベクトルとCHが垂直やったらよくて
CH→・a→=0…①
CH→・b→=0…②
次の条件
○点Hは平面L上にある
はα,βを実数として
OH→=αa→+βb→…③

後は①,②,③を計算するだけですわ。
始点をOにそろえていくのが、基本やから①の式に③を代入して
CH→・a→=0⇔(OH→-c→)・a→=0
⇔(αa→+βb→-c→)・a→=0
⇔α|a→|^2+βa→・b→-c→・a→=0
⇔3α+2β=1…④
②の式に③を代入して
CH→・b→=0⇔(OH→-c→)・b→=0
⇔(αa→+βb→-c→)・b→=0
⇔αa→・b→+β|b→|^2-c→・b→=0
⇔6α+7β=1…⑤
後は④と⑤を連立させて解いて
α=5/9,β=-1/3
よって
OH→=5/9a→-1/3b→
これはほとんど考えずに出来るように、しっかりやり方を覚えておいて欲しいとこやな。
(2)
東大ではこの手の空間図形の問題が非常に多い。
非常に多いけど、共通してることは
「中学生的に解く!」
です。
これをもう少し詳しく書けば、式や考え方が簡単になるように立ち回るってことです。
ぶーわー数式を立てていって解けるってことはほとんど無いと思う。
そんなこと求められてなくて、簡単になるように、簡単になるように持って行くねん。
頑張ろうとするんじゃなくて、出来るように持って行く。
強いリーダーシップを育てたい東大はこういう考え方が出来る人材が必要なわけです。
まずMはLに垂直なわけやから、四面体を寝かせて考えたら楽やろ。

Lが下になるように寝かせると、随分見通しがよくなる。
すると、MがCより左側と右側で切り口が違うことが見えてくる。
左側にあれば、これは明らかに三角形。
右側にあれば、これは明らかに台形
台形が明らかかどうかは、ちょっと微妙やけどな。
(証明するとしたらLとBCとの交点をSt,LとACの交点をUtとすると、空間ベクトルの直線と平面の平行についての定理を使って
AB//RtQt⇒AB//M
AB//M⇒AB//StUt
よって四角形ABStUtは台形)
この切り替わりポイントは点Hを通るときであることもわかってくる。
すると点Hを通るときのtの値をt_0として、t_0を求めて場合わけする必要が出てくる。
t_0は単に
kPt_0Qt_0→=Qt_0H
とか式を立てても出来るし
OH→=5/9a→-1/3b→
と表されてると、Hはどんな点であったかわかる方法があったやんな。

5/9-1/3=2/9やから
5/9a→-1/3b→に2/9で割って,2/9をかけるってやつや。
OH→=2/9・(5/9a→-1/3b→)/(2/9)
=2/9・(5a→-3b→)/2
これで線分ABを3:5に外分する点をDとすると
OH→=2/9・OD→
やからOH:OD=2:9よりt_0=2/9とわかるわけですわ。
この割って、かけて、無理やり係数を足して1にする方法を覚えてない人はちゃんと覚えてな。
ということで場合わけしていきます
(i)0<t≦2/9の時

LとOCとの交点をRtとして△RtPtQtの面積を求めるわけですわ。
色々なやり方あるとは思うねんけど、自分の能力に頼るんじゃなくて簡単になるように持っていくねん。
東大では強くそういう戦略的なことが要求されるねん。
だから難しいことをやろうとせずに簡単に相似を使って求めてしまうねん。
△RtPtQt∽△CPt_0Qt_0
でPtQt:AB=t:1よりPtQt=2tやから相似比も
△RtPtQt:△CPt_0Qt_0=(2t)^2:(2t_0)^2
と簡単に求まるやろ。
後欲しいのは、高さ|CH→|やけどこれはベクトルであらわされてるわけやから、ここは単純計算をすればええねん。
|CH→|=|OH→-c→|=|5/9・a→-1/3・b→-c→|
=√{(5/9)^2|a→|^2+(1/3)^2|b→|^2+|c→|^2-2・5/9・1/3・a→・b→+2・1/3・b→・c→-2・5/9・c→・a→}
=2√(2/3)
これで
△CPt_0Qt_0=1/2・|CH→|Pt_0Qt_0
=2t_0√(2/3)
△RtPtQt:△CPt_0Qt_0=(2t)^2:(2t_0)^2
⇔
S(t):2t_0√(2/3)=(2t)^2:(2t_0)^2
⇔
S(t)=3(√6)t^2
(ii)2/9<t<1の時

LとBCの交点をSt,LとACの交点をUtとすると四角形StUtQtPtはStUt//QtPtの台形である。
これはさっき書いたとこです。
ここも複雑な計算をしていくんじゃなくて、簡単に簡単になるようように、単に上底と下底と高さを相似とかで求めて面積を求めます。
UtSt:AB=CSt:CB
=Qt_0Q_t:Q_t0B
=t-2/9:1-2/9
=9t-2:7
よってUtSt=2(9t-2)/7

点StからLに垂線StHtをとると
CH:StHt=CB:StB
=Qt_0B:QtB
=1-2/9:1-t
StHt=9(1-t)CH/7
だから
S(t)=1/2・(UtSt+PtQt)StHt
=12/49・(8t-1)(1-t)√6
まあこれだけ簡単にしようとしても、結構ややこしいけどな。
まとめて
S(t)=
3(√6)t^2(0<t≦2/9)
12/49・(8t-1)(1-t)√6(2/9<t<1)
この自分の能力に頼るのではなく、簡単に持っていく発想をこういう問題を通して覚えていってくれ。

後は平方完成するだけや。
それだけの話や。
東京大学の入試の数学の過去問の解説
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