受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

小数部分の問題…東京大学2011年度理系第二問文系第二問の解説
toudai2011ri21.jpg

実数xの小数部分を,0≦y<1かつx-yが整数となる実数yのこととし,これを記号<x>で表す。実数aに対して,無限数列{a_n}の各項a_n(n=1,2,3,…)を次のように順次定める。

(i)a_1=<a>

(ii)
a_n≠0のとき,a_(n+1)=<1/a_n>
a_n=0のとき,a_(n+1)=0

(1)a=√2のとき,数列{a_n}を求めよ。
(2)任意の自然数nに対してa_n=aとなるような1/3以上の実数aをすべて求めよ。
(3)aが有理数であるとする。aを整数pと自然数qを用いてa=p/qと表すとき,q以上のすべての自然数nに対して,a_n=0であることを示せ。

(文系は(2)まで)


[解答と解説]
難しそうな、整数問題に見えて避けてしまうかもしれません。
でもこれは単によくあるパターンを組み合わせるだけで、むしろやりやすい問題です。


まあ、ウチワでおじさんのお尻を叩いてたらオナラが出たような話やな。

toudai2011ri22.jpg

と言うことで、小数部部の問題は例えば

4/(√5-1)

の小部分を求める問題とかよくあるけど、これって

4/(√5-1)=4(√5+1)/(5-1)=√5+1

って有理化して2<√5<3やから整数部分は2+1=3で小数部分は
√5+1-3=√5-2
って求まったやんな。


だから

○まず整数部分が求まる

それでxの整数部分[x](←ガウス記号)が求まると小数部分<x>は

○<x>=x-[x]

であらわされるわけや。


たぶんなこれ出来なかった子って、人の家にちょうちん振り回しながら突っ込んで行ったことがないんやと思いますわ。


チャートのような例題のような問題やけど、いつもわんこら式数学の勉強法で言うてるように理解してると言っても理解の度合いが違って、

繰り返しまくって問題ごとパっと出るように覚えてるかどうかがこういうとこで差がつくねん。

(1)
toudai2011ri23.jpg

東大の問題で整数問題が出てくるとn=1,2,3,…って入れていって実験してみるのがパターンです。
この処理は過去問繰り返しまくって覚えて下さい。

√1<√2<√4⇔1<√2<2
やから√2の整数部分は[√2]=1です。
だから
a_1=<√2>=√2-1
また
a_2=<1/(√2-1)>
だから
1/(√2-1)=(√2+1)/(2-1)=√2+1
と言うように有理化すると整数部分は2とわかるから
a_2=√2+1-2=√2-1
って同じ値になります。

だから
a_3=a_2=√2-1,a_4=a_3=√2-1

って言うように帰納的にa_n=√2-1とわかります。

帰納法でちゃんと書いた方がいいのかと言われると、書くにこしたことはないと思うけど、

この問題での焦点はn=1,2,3…って調べて予想をたてるのとこなので適当に誤魔化して書いて大丈夫だと思います。

(2)

(1)みたいなaを全部求めなさいみたいな感じの問題です。

これも同じように整数部分を求めて、小数部分をあらわしていったらええねん。

toudai2011ri24.jpg

a_n=aとすると、まず漸化式から
a_(n+1)=<1/a_n>より
a=<1/a>

この式を処理していけばええわけやな。

まず<1/a>の整数部分が気になるとこです。

a≧1/3やから0<1/a≦3

で整数部分[1/a]は0,1,2,3が必要なことがわかります、


やっぱり整数部分が求まるパターンなわけやな。

でもこれは必要条件なので

必要条件で絞って、一つ一つしらみつぶしで調べていく

って言ういつも整数問題のパターンです。


そして

<1/a>=1/a-[1/a]

で<>をはずして
a=<1/a>
の式を
a=1/a-[1/a]
で扱います。

(i)[1/a]=0の時
a=1/a
となりa≧1/3よりa=1と決まります。
しかしaこれはそもそも[1/a]=1で不適です。

(ii)[1/a]=1の時
a=1/a-1
これを解いて1/3≦aより
a^2+a-1=0
a=(-1+√5)/2

これは[1/a]=1なので大丈夫です。

toudai2011ri25.jpg

(iii)[1/a]=2の時
同じように
a=1/a-2
これを解いて1/3≦aより
a^2+2a-1=0
a=-1+√2

これも[1/a]=2なので大丈夫です。

(iv)[1/a]=3の時
a=1/a-3
これを解くと
a=(-3±√13)/2
で両方1/3未満になり不敵です。

(-3-√13)/2<0
は明らかやし
1/3-(-3+√13)/2=(11-3√13)/6
=√121-√(117)/6>0

より(-3-√13)/2も1/3未満です。

まあそもそもa=1/3のときにしか[1/a]=3にならなくてa=<3>=0で不適になるねんけどな。



(3)
toudai2011ri26.jpg

今度はp/qやな。
p/qの整数部分が欲しいわけや。

欲しいけどガウス記号でよく実数xに対して
x-1<[x]≦x
で整数部分を扱ったりしてたやろ。

でもxが有理数の時は、これではちょっと精度が甘くて解けなかったりしたわけや。

アマアマなわけや。

オレも夢で女の子に膝枕してもらって泣く夢を見た甘えたなわけや。

あかん、整数問題を説明してたらどんどん変態がバレていく。


えっと、このガウス記号の問題、早稲大学2009年度理工学部の数学第1問の解説を参考にしてくれ。

有理数の場合はどうしたのかと言うと

x=p/qとおいて
[x]=p/q,(p-1)/q,(p-2)/q,…,(p-(q-1))/q,
って言うように整数部分はq個に絞ることが出来て解けたわけや。

有理数やとかなりの精度まで絞れるねん


これはどういうことかと言うと

toudai2011ri27.jpg

x=p/qってことはpをqで割るってことやけど、商と余りを考えると
商はもちろん整数部分で[x]って表せたわけやな。

余りはrとしておいて

p=q[x]+r

それで余りrは
r=0,1,2,…,q-1
の計q個の場合があるわけや。

だからこれから
[x]=(p-r)/q
r=0,1,2,…,q-1
となるわけや。

この
p=q[x]+r
の式は大学の理学部数学科とかで代数とか習うとユークリッド整域の性質の一つで除法の原理であって、凄い重要なことやねんな。

まあ高校数学ではそんな凄いもんな感じはしないねんけど。



じゃあ解答を作っていきます。

それと解答の書き方はやっぱ数学的帰納法が書きやすいかな。

ここで、またこれも東大の問題でよくある処理のパターンで覚えて欲しいねんけど

toudai2011ri28.jpg

nじゃなくてqに対して数学的帰納法を使うとやりやすいねん。

整式の証明問題、東京大学2007年度理系第1問の解説を参考にしてください。


toudai2011ri29.jpg

q以上の全ての自然数nに対して
a=p/qとするとa_n=0…(A)

(A)を自然数qに関する数学的帰納法で示す。

(i)q=1のとき

a=pより,a_1=0
よって
a_2=0,a_3=0,…,a_n=0
よって(A)成立

(ii)q≦kのとき(A)成立を仮定すると
a=p/(k+1)ならば

整数部分はさっきやったように

[p/(k+1)]=(p-r)/(k+1)
(r=0,1,2,…,k)

よって小数部分があらわせて

a_1=<p/(k+1)>
=p/(k+1)-(p-r)/(k+1)
=r/(k+1)

toudai2011ri210.jpg

r=0の時は,a_1=0,a_2=0…で明らかにa_n=0

r≠0の時は,
a_2=<(k+1)/r>
これは
rはk以下の自然数です。
と言うことは
b=(k+1)/r,b_n=a_(n+1)とすると
この{b_n]に対して帰納法の仮定が使えます。

つまり
b_n=0(n≧k)
です。

だからこれをa_nで言うと
a_n=b_(n-1)
=0
(n-1≧k)
つまりは

a_n=0
(n≧k+1)

これで証明終了です。

東京大学の入試の数学の過去問の解説

整数問題の解法の解説と問題演習




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