受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

数学オリンピック、条件:任意の有理数rに対して r=b+ 1/a_1 + 1/a_2 + … + 1/a_n を満たす整数bおよび0でない整数a_1,a_2,…,a_nが存在する。
質問された数学オリンピックの問題。

2008年度本選の第五問です。

これ問題文の意味間違えて説明してもたから、ちゃんと解説しなおしますわ。


でもこれは、有理数の性質や、有限個って言うことの意味とかええ勉強になると思う。


[問題]
次の条件を満たす正の整数nは存在するか。

条件:任意の有理数rに対して
r=b+ 1/a_1 + 1/a_2 + … + 1/a_n
を満たす整数bおよび0でない整数a_1,a_2,…,a_nが存在する。

[解答とか解説]
これは条件を満たすようなある正の整数nは存在するか?って言う意味です。

明らかに存在しなさそうですね。

それをどう数学的に証明するかってことやねんけど、ここで勉強して欲しいのが

○有理数は稠密

○有限個の扱い方

やねん。



そしたら、まず有理数は稠密であることについて書こか。


まあ、当たり前のことではあるねんけど重要な性質で

「任意の有理数a,b(a<b)に対して、
a<x<b
を満たす有理数が存在する。」

と言う定理が有理数が稠密ってことやねんけど、証明はほんまに当たり前の話で

x=(a+b)/2

とでもすればxは有理数でaとbの間やから確かに存在してるわけやねんな。


これは当たり前のことではあるねんけど、任意の有理数のどんな近くにも有理数が存在してるって言うことを示していて、これが非常に重要な性質やねん。

aとbの差を1/100000000とかどんなけ小さくしていっても(a+b)/2とすればaとbの間に有理数は存在してしまうねんな。

これは大学の一年で習うとは思うけど、覚えたってくれ。



それともう一つ、有限個の扱い方って言うのはこれはむしろ無限と言う概念において有限個とはどういうものなのかって言うことやねんけど、nを自然数としてnに関する命題P(n)を考えて

「命題P(n)は有限個のnで成り立つ」

って書いてあればこれは、ある自然数kが存在して

n=m_1,m_2,…,m_k(m_1<m_2<…<m_k)

でP(n)は成り立っているねん。

これでさらに少し見方をかえれば、P(n)はk個の値で成り立っていてk≦m_kやから高々m_k個のnでしか成り立たんねん。
多くてm_k個でしか成りたたんねん。

それでn>m_kとなる全ての自然数nではP(n)は成り立たんねんな。
nはある値より大きくしてしまったらP(n)は成り立たなくなるねん。

そういうある値が存在するねん。

それが有限個で成り立つってことやねんな。

これをほとんどの自然数nで成り立たないとも言うねんけど。


まあ主に大学で使うような論理やねんけど、こういう扱い方も覚えてて下さい。



それでは、ようやくやけど問題の解答に入ろか。

華麗な解答じゃなくて、意味を重視した解答にしてます。


1/a_k(k=1,2,…,n)はどういう値をとるか考えると、

1/a_k=±1,±1/2,±1/3,…

って動いていくねん。

でこれは、|a_k|を大きくすると1/a_kはどんどん0に近づいていくわけや。

だから任意の正の1未満の有理数xに対して、m'<1/xとなる自然数m'をとれば|a_k|≦m'となる整数a_kに対して

|1/a_k|>x⇔1/a_k<-x,1/a_k<x

が成り立つねん。

これが成り立つa_kの値の個数は|a_k|≦m'やから2m'以下の個数やねん。

つまり有限個の値でしか成り立たんねん。


と言うことは

|1/a_k|>x/n

が成り立つa_kの値の個数は有限個だから、

|1/a_1|+|1/a_2|+…+|1/a_n|>x

が成り立つのも有限個なわけや。

だから、これが成り立つa_1,a_2,…,a_nの値の組み合わせ個数をM個とすると

|1/a_1|+|1/a_2|+…+|1/a_n|≧|1/a_1+1/a_2+…+1/a_n|

やから

|1/a_1+1/a_2+…+1/a_n|>x

が成り立つのはM個以下なわけやな。
だからこれも当然有限個やねん。

ここでxは任意にとってよかったからx=1/3でもしておこか。

|1/a_1+1/a_2+…+1/a_n|>1/3

が成り立つのは有限個でこれをN個としておこ。


-n≦1/a_1+1/a_2+…+1/a_n≦n

に注意して

1/3<b+1/a_1+1/a_2+…+1/a_n<2/3となるには

b<-n,n+1<bでは
b+1/a_1+1/a_2+…+1/a_n<-n+n=0,
b+1/a_1+1/a_2+…+1/a_n>(n+1)-n=1
より
1/3<b+1/a_1+1/a_2+…+1/a_n<2/3となりえないから-n≦b≦n+1が必要で

b≦0の時
1/a_1+1/a_2+…+1/a_n≦1/3とすると
b+1/a_1+1/a_2+…+1/a_n≦1/3より不適

したがって
1/a_1+1/a_2+…+1/a_n>1/3
が必要


b≧1の時
1/a_1+1/a_2+…+1/a_n≧-1/3とすると
b+1/a_1+1/a_2+…+1/a_n≧1-1/3=2/3より不適

したがって
1/a_1+1/a_2+…+1/a_n<-1/3
が必要。

よって-n≦b≦n+1において
|1/a_1+1/a_2+…+1/a_n|>1/3が必要。

|1/a_1+1/a_2+…+1/a_n|>1/3を満たすa_1,a_2,…,a_nの値の組み合わせはN個で、-n≦b≦n+1を満たすbの値はn+1-(-n)+1=2n+2個だから

1/3<b+1/a_1+1/a_2+…+1/a_n<2/3となるb,a_1,a_2,…,a_nの値の組み合わせは(2n+2)N個以下。

だから1/3より大きくて2/3より小さい有理数は有限個しかないねん。

その有限個の有理数を小さい順に

c_1,c_2,…,c_p

と書いてp個とすると

(c_1+c_2)/2

はc_1とc_2の間の有理数で、この値をb+1/a_1+1/a_2+…+1/a_nはとられへんから条件を見たすはnが存在しなことが示されたことになるねんな。


もっと帰納法を使ったりとかして、スマートに華麗に解答書けると思うからその辺はまかせとくわ。

まあ今日は有理数は稠密と言うことと、有限個の扱い方についての勉強ってことで許したってくれ。

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