受験数学わんこらスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

一次変換の問題、座標平面上で原点の周りにπ/3回転する1次変換をfとし、直線y=(tanα)xについて対称移動する1次変換をgとする。
京都大学2007年の理系甲の5番の問題です。

[問題]
080916_m1.jpg
-π/2<α<π/2とする。
座標平面上で原点の周りにπ/3回転する1次変換をfとし、直線y=(tanα)xについて対称移動する1次変換をgとする。
合成変換fgがx軸について対称移動する1次変換と一致するとき、αの値を求めよ。


[解答と解説]
080916_m2.jpg
この問題は行列の問題と言うより、gのy=(tanα)xについて対称移動する1次変換って言うのがどのような変換なのかが、この問題の重要な問題です。
それを式に表す手段の一つが行列なだけであって、中学生でも解けるようになってます。

y=(tanα)xについて対称移動は原点からの距離は保たれます。
角度はどのように変わったか考えてみてください。


x軸正方向から、角度Θの点を考えます。
y=(tanα)xはx軸正方向から角度αをなす直線です。

だからその点と原点を結んだ直線は、直線y=(tanα)xから反時計周りを正とするとα-Θだけマイナス方向に回転したものです。
(又はΘ-αだけプラス方向に回転したもの)
それで、その点をy=(tanα)xについて対称移動すればy=(tanα)xからα-Θだけプラス方向に回転した点になります。

だから点をy=(tanα)xについて対称移動した点は

x軸正方向から、角度α+(α-Θ)=2α-Θをなします。


これが分かることがこの問題では一番重要です。

自分でも図を書いてやってみてください。


すると後はfによってπ/3回転させると
2α-Θ+π/3
で、もとの角度Θの点はx軸について対称移動すれば角度-Θなので、2α-Θ+π/3が2nπ-Θになればオッケーです。
何周目の-Θに一致するのかわからないので、2nπをつけるのは忘れないでください。
まあでも-π/2<α<π/2だから答えは一つで
2α-Θ+π/3=2nπ-Θ
から
α=-π/6+nπで-π/2<α<π/2だから
α=-π/6
です。


たぶん解答はこれで大丈夫です。


しかしでもやっぱりこれを行列で表す勉強も必要です。
080916_m3.jpg
答えから言えば、写真のようになります。

このgやfがイコールでこれらの行列ではありません。
f=
cosπ/3 -sinπ/3
sinπ/3 cosπ/3
と書けば、死を覚悟すべきでしょう。

ベクトル→x1をπ/3回転させたものをベクトル→x2とすると
f(→x1)=→x2
これは正しいです。


と言うのは、一次変換と言う写像の定義はcを定数とし→x1、→x2をベクトルとして

f(→x1+→x2)=f(→x1)+f(→x2)

f(c→x1)=cf(→x1)

がなりたつものを言うからです。


決して行列のことではありません。

しかし1次変換の写像には「対応する行列」が1対1で存在します。

この「対応する行列」って言葉を覚えてください。

fに対応する行列をAとすると、反対にfはAによって定義される一次変換と言います。

式で言うと
f(→x1)=A→x2
となります。


とは言うものの、ちょっと抽象的で大学生の数学科の人でも線形代数の時に混乱するから高校生にはキツい話ではあります。


話は戻ってfに対応する行列はおそらく大丈夫だと思います。
回転で加法定理を使って証明します。


gの方はもしかすると見慣れないかもしれません。
回転の行列に似てますがマイナスの位置が2行2列目につくやつで半分の角度の直線に対して対称移動させます。
式で言うと行列の成分の三角関数の角度がΘなら、直線y=(tanΘ/2)xについて対称移動させます。
一応、鏡映とか言います。
こっちも加法定理で証明できます。


これらの行列をfgは簡単にあらわせます。

080916_m4.jpg

機械的にとけます。


ただ鏡映を高校生が暗記をしていて使えるかって言うと微妙なので、とりあえず対称移動した点の座標がわかりやすい2点を考えれば行列は出ます。

080916_m5.jpg

(1,0)と(0,1)を対称移動すれば
(cos2α,sin2α)と(sin2α,-cos2α)になるから行列は簡単に求まります。

とは言っても、これもやりなれないような計算かもしれませんが。


この問題の本質は、行列による計算ではなくある点が対称移動によって移る点は図形的にどのような点か角度でわかるかどうかであって、行列がわからなくてもそれがわかれば解けます。

京都大学の入試の数学の過去問の解説

高校数学の問題と解説




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