三角関数の合成と言うと、
なんか…もう…はうん…
ってよくみんななります。
三角関数の合成はだいたい

こうやって
asinΘ+bcosΘ=√(a^2+b2)sin(Θ+α)
cosα=a/√(a^2+b2)、sinα=b/√(a^2+b2)
と書いてますが、これがようわかりません。
しかも三角関数の合成がわかりませんって先生に言いにいくと黒板に
asinΘ+bcosΘ=√(a^2+b2)sin(Θ+α)
cosα=a/√(a^2+b2)、sinα=b/√(a^2+b2)
って書いて
なんや?何がわからんのや?
って言う目で見てきます。
もう三角関数の合成で人生がおかしくなったやつを何人見てきたかわかりません。
と言うことで今日は少しでも納得出来たらってことで説明してみます。
まず加法定理の式の
sin(Θ+α)=sinΘcosα+cosΘsinα
を見てください。
特に右辺を見てください。
そして
asinΘ+bcosΘ
って式を見てください。
この二つを見比べると、もしaがcosαでbがsinαだったら加法定理の形になります。
そんなこと果たして出来るのか?
ところで2乗したのを足すと1になる二つの数s,tがあったとすると
(s,t)=(cosα,sinα)
とあらわせました。
xy座標で点(s,t)は単位円x^2+y^2=1上の点で点(s,t)と原点を結んだ直線のx軸正方向となす角度がαでした。
むしろ、それが三角関数の定義でした。
つまり二乗したものを足すと1になる二つの数って言うのは三角関数であらわせます。
そしたら少なくとも一方は0でない任意の二つのx,yがあったとするとこれに何かある数をかけたら二乗した和が1になるでしょうか?
例えばある正数kがあったとして
kxの二乗とkyの二乗を足すと1になったとします。
(kx)^2+(ky)^2=1
これからkについて解くと
k=1/√(x^2+y^2)
になります。
確かに
(kx)^2+(ky)^2=x^2/(x^2+y^2)+^2/(x^2+y^2)=1
で1になってます。
と言うことは少なくとも一方は0でない任意の二つの数x,yはk=1/√(x^2+y^2)をかければ二乗した和が1になる数kx,kyになります。

と言うことは
xsinΘ+ycosΘ
とか言う式があると、これがもし
kxsinΘ+kycosΘ
(k=1/√(x^2+y^2))
ならばkx=cosα、ky=sinαと出来て
sinΘcosα+cosΘsinα
と言うように加法定理の形になります。
三角関数の合成は、このkをかけると2した和が1になるってことに本質があります。
では早速具体例でやってみましょう。
3sinΘ+5cosΘを合成してみます。

まず3と5が二乗して1になる数になるには
3^2+5^2=34
を計算して
1/√34を3と5にかけると3/√34と5/√34が出来てこれは二乗したのを足すと1で
3/√34sinΘ+5/√34cosΘ
これを元の式に一致させるために√34をかけると
3sinΘ+5cosΘ=√34(3/√34sinΘ+5/√34cosΘ)
と出来て
3/√34=cosα、5/√34=sinαと置けるから
√34(3/√34sinΘ+5/√34cosΘ)=√34(sinΘcosα+cosΘsinα)
これで加法定理の形になるから
√34sin(Θ+α)
になりました。
もちろん加法定理は4つあるので
3/√34=sinβ、5/√34=cosβとおいた場合は
√34(sinΘsinβ+cosΘcosβ)=√34cos(Θ-β)
と言うようにcosで合成できます。
asinΘ+bcosΘ
を見ると、aとbがcosαとかsinαに見えてくる領域まで達すればスムーズに合成出来るようになってくると思います。
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